たまごが約5か月ぶりに値下がりした。10個入り1パックは一時200円以上に高騰していたが、先週から下がり始めた。製造中止していたスイーツが再開、ラーメンの煮玉子も復活する見通しだ。20日(2023年6月)の「ZIP」が今後の動きなどを特集した。
鳥インフル発生止まり、小さめサイズの流通が増加
東京・荒川区の飲食店では、一日1000個以上は使うという。名物アップルパイのツヤ出しをはじめ、カスタードクリームの材料などに大量の卵が必要となる。代表の女性は「卵をたくさん使う、人気のレモンパイを休止している状態でございます」。これまで、卵の価格は2.5倍に跳ね上がり、入荷数は3分の2に激減。人気商品だったレモンパイ(575円)が販売休止に追い込まれていた。しかし、数日前に、卵が入荷できることに。
「たまご業者さまから、量の方は注文通り卸せるようになりそう、と連絡をいただき、来月あたりから人気商品を復活させようか、とちょうど話していたところです」。
卵の産地では何が起きているのか?
青森県の東北ファームでは、昨年末に鳥インフルエンザが発生、史上最多の139万羽を殺処分した。山本社長は「(新たにひなの飼育を始めて)9月にはある程度(関東方面などへの)出荷を予定している」。
大手企業でも卵を使った商品が復活してきている。
「白い恋人」などで知られる石屋製菓は、オンラインショップで販売を休止していた一部の商品を7月から販売再開する。ラーメンの一風堂では、一部で休止していた煮玉子のトッピングを再開する。
東京の卵相場(10個入り1パック当たり=JA全農HPより)は今年1月5日には143円だったが、3月末には200円近くに。これが先週木曜日に5円下がり192.5円となった。
なぜ価格が下がったのか? 業界団体によると、鳥インフルエンザの発生が、4月半ばで止まり、小さめの卵の流通が増えているという。墨田区のスーパーでは、Mサイズの1パックが338円で売られていた。去年に比べ、200円ほど高いという。店主は、「量が増えて、値段は1割くらい安くなるとは聞いています」。来月以降は入荷数が増え、価格が下がる可能性が出てきた。子供を抱いた買い物客の女性も「ありがたい。卵かけご飯を、たっぷりいっぱい食べたい」。
ただ、今回値段が下がったのは小さめのサイズだけで、中~大サイズは高止まりしているという。
(栄)