「十徳長屋」に住む万太郎(神木隆之介)のもとへ駆けつけた寿恵子(浜辺美波)は、大量の本と標本の山を目にしてぼう然と立ち尽くした。万太郎は「日本中の植物を明らかにして図鑑を作る」という夢について語る。そのためには大きな出費も必要になるともいう。この話は破談になるという長屋の住人たちの見込みとは逆に、寿恵子は万太郎と生きていく決意を固め、「あなたと一緒に大冒険を始める」と告げる。
万太郎は改めて「白梅堂」にあいさつに行った。まつ(牧瀬里穂)は娘の先の苦労を案じるが、万太郎の「必ず幸せにする」という約束を信じ、2人の結婚を許す。まつは店をたたんで故郷に帰ることになった菓子職人の文太(池内万作)について行こうと思っていることを明かす。
「あなたを1人っきりにはせん」改めて綾に思いを告げる竹雄
半年後。万太郎と竹雄(志尊淳)は、寿恵子を連れて土佐・佐川に里帰りした。3人が実家の造り酒屋「峰屋」に着いた時、綾(佐久間由衣)が役人たちから厳しい言葉を浴びせられていた。目にした万太郎は、重税を課せられた酒造の状況を実感。竹雄は重責を1人で背負おうとしている綾を見て胸を痛める。竹雄は「あなたを1人っきりにはせん」と、改めて綾に自分の思いを告げる。
心配事はもう1つあった。タキ(松坂慶子)が癌の末期で、体中に痛みを抱えていたのだ。タキは必死で平静を装っていたが、万太郎はその異変に気付いていた。
数日後、万太郎のもとに東京大学の学生たちから手紙が届く。そこにはロシアのマキシモヴィッチ博士からの手紙も同封されていて、万太郎がロシアに送ったマルバマンネングサが新種として認められ、万太郎の名字が入った学名が付けられたと記してあった。竹雄と寿恵子は、涙を流して喜ぶ万太郎を祝福した。
その話を聞いたタキは、万太郎に告げる。「草の道が海の向こうにもつながっちゅうがじゃろう?さっさと行きい」と。