11日(2023年6月)に放送された追悼特別番組「さようなら上岡龍太郎さん」(ABCテレビ)。関西地区の放送だが、12日から動画配信サイト「TVer」でも見ることができる。
スタジオには生前、親交のあった桂南光、岡部まり、キダタロー、間寛平、石田靖が集合。懐かしい映像を見ながら、スタジオで想い出を語り合う、アットホームな追悼番組だった。
岡部まり「理路整然とキレられていました」
横山ノックに「一緒に漫才をやらないか」と誘われて芸人になったのが18歳。番組では、1975年1月に放送された演芸番組の漫画トリオのパンチ時代の映像や、「てなもんや三度笠」出演時の映像、そして、上岡を名司会者と知らしめた「ラブアタック!」など懐かしい映像が流れた。
「ラブアタック!」は若者を主役にした視聴者参加型番組で、出て来た映像が、当時、大学生だった百田尚樹で、意外にも(失礼!)イケメンだったのには驚いた(笑)。百田はその後、「探偵ナイトスクープ!」の構成作家となった。
番組では上岡が初代局長をつとめた「探偵ナイトスクープ!」の秘蔵映像も流れた。なかでも上岡局長が激怒して途中退席した伝説回は、今、見ても衝撃。幽霊が出る下宿先に除霊師を呼んで除霊してもらうという内容だったが、VTRを見たあとに上岡が、「あんなん(除霊師)をね、テレビに出すことによって、彼らは市民権を得たとか認知されたとか勘違いするでしょう。ああいうのをテレビに出すのは非常に危険」と激怒した。
さらにディレクターを呼びつけて、「ものすごい危険なテレビですよ、これは。こんなこと許せません。絶対に許せません。それやったら、はっきり幽霊がいることを実証してください。いるかいないかわからんまま、終わらさんといてください。(幽霊は)いないと断定して終わるのがテレビです!」と叱りつけて収録中に退席したのだ。
このVTRを見た後、その時、隣りで上岡を見ていた秘書役だった岡部まりが、「理路整然とキレられていた」と証言。その理由がいかにも上岡らしいものだったので、是非、確認して欲しい。岡部の上岡評「同調圧力のないひと。あれだけ主張するのに、同じ意見は求めない」というのもなるほど納得だ。関西でしか見られないと思っていたので「TVer」に感謝。
(大熊猫)