「陸上自衛隊の射撃訓練場で3人が撃たれて死傷した事件です。逮捕された18歳の自衛官候補生の男は、『教官を狙った。射撃の順番を待っている時に、4発発砲した』と話をしていることが分かりました」と16日(2023年6月)の「モーニングショー」で司会の羽鳥慎一が伝えた。
死亡したのは菊松安親1曹(52)と八代航佑3曹(25)。原悠介3曹(25)は左太ももに重傷を負った。森下泰臣・陸上幕僚長は15日の会見で、「(撃たれた)3人は射場で勤務していた。直接個々に対応・指導する立場ではなかったという認識」と説明したが、それではなぜ候補生は菊松1曹(教官)を狙ったのか。
「モーニングショー」は自衛官のセカンドキャリアを支援する元陸上自衛官の木村裕一氏と、陸上自衛隊衛生課の元幹部・照井資規氏をスタジオに招き、その動機に迫った。
羽鳥「『教官に叱られた』と話していることも伝わってきていますが、『直接指導する立場でない教官』とはどういうことですか?」
木村氏「多分、中隊本部勤務の方たち。戦闘訓練などには中隊総出で行くので、そういう時に関わっていたのでは」
照井氏「日々の指導は直接付いている班長などがするが、突然、あまり人間関係がない隊員が現れて厳しいことを言われると、どこのだれかも分からないし、『なんだ、あいつ』ってことにはなるかも知れない」
「勝手に弾を装てんすることはほぼ不可能なのに」
ここで1つの問題が浮上した。木村氏は「待機場で勝手に弾を装てんすることはほぼ不可能」と指摘。「基本的には待機場で銃と弾を一緒に持たせることはない。率直に、あり得ないと思う」というのだ。
この点について、照井氏も「40年前の事件(1984年の自衛官の小銃発射事件)で、射撃位置よりも後の場所で銃と弾を一緒にするのは禁止されている。待機位置では誰も見ていないから、おかしなことがあったときに誰も止められませんから」と同意した。
玉川徹(テレビ朝日社員)は「悪意があったら止められない。問題はどうやって管理するかよりも、なぜそういう殺意を持ったのかではないか」と話した。さらに「叱られたからって、3人に向かって銃を発砲するか、ですよね。教官を撃った後に、もう1人撃っている。このもう1人ってなんの必然性もないわけで、不自然極まりない」と疑問を口にした。
(ピノコ)