NHKの朝ドラ「らんまん」6月15日(2023年)放送回。万太郎(神木隆之介)が制作・印刷の植物学雑誌がついに完成した。田邊教授(要潤)のいいとこ取りの態度は言わずもがなだが、まずは学会誌として教授のお墨付きをもらった。その晩は万太郎の大好物「牛鍋屋」で打ち上げだ。宴会後、万太郎お得意の人並外れた行動力を発揮する。(ネタバレあり)
時代は男子ファースト、寿恵子の気持ちはどこに
宴会の後、万太郎と竹雄(志尊淳)は、大畑印刷の主人(奥田瑛二)とおかみさん(鶴田真由)に一世一代のお願いといって釣書を見せ仲人の依頼。この時代、本人同士よりも家同士の結婚が主流。釣書は仲人が持っていくものだったようだ。万太郎がちゃんと仲人を立て、正式に親元に結婚を申し込みに行くとは、意外にも礼儀をわきまえている。ライバルが実業家の高藤だからか。ネットでは「大畑夫妻に仲人頼んだのは絶妙だよね?」「万が一断られたら、仲人の立場って辛いだろうなぁ」「相手に気持ちを確認する前に仲人を頼む時代」など声も。
家と本人のプロフィールに該当する釣書に、「峰屋」の当主を放棄した万太郎は、何と書いたのであろうか。東大で「植物学会誌制作」と書いてあるのか。小学校卒業とは書けないでしょうに。
婚姻に関してこんな見方も。寿恵子(浜辺美波)の争奪戦をめぐる高藤と万太郎だが、高藤は、寿恵子を妾にすると鼻息荒く横浜に家まで用意して、家同士の結婚を前提に、いやしくも白川議官の養女にする段取りを勝手に進めている。そして万太郎も寿恵子さんの気持ちを聞く前に、仲人を立てて結婚を申し込みに行く。考えてみたら寿恵子の気持ちはどこにもない。時代は圧倒的な男子ファースト。身分に関係なく女子が虐げられていたか知れる一面だ。
仲人を頼まれた大畑夫妻ははしゃぎすぎ。奥田の紋付着物が似合いそうだ。きっとひと悶着あるであろうが。
(Y・U)