岐阜市にある陸上自衛隊の射撃場できのう14日(2023年6月)、18歳の自衛官候補生の男が自動小銃を発射し、自衛官2人が死亡、1人がけがをした。男は殺人未遂容疑で逮捕され、「人間関係がうまくいかず、上司の隊員に銃を乱射した」という趣旨の供述をしているという。きょう15日の「ZIP!」が詳しく伝えた。
39年前の小銃発砲事件の後、訓練方法を見直していたが
事件があった日野基本射撃場は住宅街の近くにある、全長約340メートルの屋内施設だ。死亡したのは、指導部の52歳の男性自衛官と25歳の男性自衛官。別の25歳の男性自衛官がけがをした。いずれも防弾チョッキは着用していなかった。
容疑者の男は、殺意については否認しているという。警察はきょう、容疑を殺人に切り替えて送検する方針だ。
容疑者の男はことし4月に入隊したばかりだった。「自衛官候補生」とは何なのか。森圭介アナウンサーが説明した。
応募資格は18歳~33歳未満で、筆記、口述、適正検査、経歴評定などの試験を経て採用される。約3カ月間、自衛官としての基本知識や職種を学んだ後、自衛官に任官される。その後、約8~13週間の特技教育を受け、部隊勤務につくという流れだ。
元陸上自衛官で国際大学教授の山口昇氏「(自衛官候補生の期間は)新人社員になるための仮採用の新人研修というようなものです。銃の訓練は、銃の手入れ方法や姿勢の取り方などから始まり、最後に実弾を撃つということをやります」
同様の事件は39年前にも発生している。1984年、山口市の陸上自衛隊の射撃場で、訓練中に21歳の隊員が小銃を発砲し、近くにいた隊員らが死傷した。
山口氏「(1984年の)事件の後、訓練の方法や弾の管理の方法などを詳しく規定したほか、(発砲した隊員が)前にも自衛隊にいて不祥事を起こして除隊し、再入隊していたことから、再入隊の自衛官を厳しくみるようになりました。今回、(自衛官候補生の)入隊の段階で瑕疵があったかどうかはしっかり見極めないといけません」
森アナ「(今回の事件を)防ぐためにはどうすればよかったのでしょうか」
山口氏「最近の若い人のメンタリティが変わってきていることもある。新隊員というのは気を付けないとコミュニケーションが不足してしまうので、そこに気を付けながら、信頼関係を築くことが重要です」
(キャンディ)