NHKの朝ドラ「らんまん」6月13日(2023年)放送回。万太郎(神木隆之介)の石版印刷の技術があがり、いよいよ学会誌の制作の準備が整った。学会誌は、万太郎自身のためだけではなく、田邊教授(要潤)の研究にも役に立つという理由で許可を得て順調に進めていた。ところが教授は、出来あがりが悪ければ全て燃やすつもりだと、徳永助教授(田中哲司)の前で本音をいう。(ネタバレあり)
ネット反応「最初悪い人と見せかけて実はいい人かも」
東大のエリート教授が、東大飛び入りの万太郎を、全面的に受け入れているとは思えなかったが、やはり裏があった。ブラック田邊の本性である。面倒くさいことは自分の手を汚さずにいいとこ取りし、失敗すれば容赦なく捨てて過程は全く評価しない。今も昔もこんな「上司」は魚群のようにいるものだ。
それを聞いた徳永助教授は、ブラック田邊にのっかるような態度を示すと思いきや、なんと怪訝そうな表情で反発。芯を抜かれようにフラフラと万太郎に近づいていき夕顔への愛情を語る。田邊の思惑を知らずに純粋に植物を愛する万太郎と、田邊の影にいる自分の立場を重ねて、薄暗いなかでこそ美しく咲く夕顔を想ったのだろうか。"夕顔が好きだ。源氏物語に出てくるから"と衒(てら)いなく呟いた徳永は、純粋な日本文学愛好者で意外な一面を見せた。ネットの投稿でも「万太郎をみていて自然と自分の好きなものの話しをしたくなったのだろうなぁ」「ここで人間味を出してくる徳永助教授、いい!」「最初悪い人と見せかけて実はいい人かも設定好きだわ~」など徳永助教授の好感度が急上昇。
夕顔だけ瓜科で、朝顔と昼顔とは違う。東大生のなかで万太郎もまた一人だけ東大生とは違う。徳永がわざわざ選択クイズにして、夕顔好きを語ったのは万太郎への愛情表現と取れなくもない。そう考えるとますます田邊教授がダークに見えてくる。「利」が無くなったら万太郎は真っ逆さまに突き落とされるかもしれないのだから。
(Y・U)