今週は、Netflix配信の2022年アメリカ映画「ノエルの日記」を紹介します。ちょっとミステリアスなラブロマンスです。
ベストセラー作家ジェイク・ターナー(ジャスティン・ハートリー)は、18歳で家を出てから疎遠になっている母の死を知らされ、遺産相続の手続きや、独居生活をしていた母の家の整理をするために、クリスマスに帰省します。
家の掃除を進めていく過程で、母の私物がしまわれた箱の中に「ノエルの日記」を見つけます。そこへ訪ねてきたのは、以前、街灯の下に立ち、母の家の様子を窺っていた女性、レイチェル・キャンベル(バレット・ドス)でした。
彼女は「生みの母を捜している」と言い、母が昔、ジェイク(ジャスティン・ハートリー)の家に住み、子守として働いていたことを明かし、彼に生みの母探しに協力してもらえないかと、頼みます。
彼女の母が働いていたのは、彼が4歳だった頃で、記憶がほとんどないので、隣人の女性に聞くと、彼の父親ならわかるのではと言います。
しかし、父は兄の死をきっかけに、母とうまくいかなくなり、1人で家を出たので、ジェイク(ジャスティン・ハートリー)は父に捨てられた気持ちでいました。父の住む場所へ向かい、生みの母の居所を、何とか突き止めた2人は、母の所へと向かいます。その途中で、「ノエルの日記」を偶然読んだ彼女は、母のノエル(エッセンス・アトキンス)が、書き残したものだと悟ります。
彼の方も、父の家を訪れたことで、長年の鬱屈した思いを解決します。道中、泊まったホテルで「今日が、私の誕生日」と明かした彼女と、それを祝う彼との心は通じあっていました。しかし、翌朝、彼女の姿はありませんでした。
置手紙があり、そこには「人生の転機となる旅に付き合ってくれた、あなたを忘れない」、さらに「婚約者を裏切ることはできないし、ベストセラー作家である彼とは住む世界が違う......」、そんな思いが綴られていました。
母の実家に戻って、実家を後にしようとする彼の目に入ったのは、初めてその姿を見たときと同じように、街灯の下に立つ彼女でした。
2人の旅は、まさにクリスマスの時期。アメリカ各地のクリスマスの様子が映し出されるロードムービーとしても、とても綺麗に描かれている作品です。
人生の悩みに、正面から立ち向かっていく2人の姿に、少なからずの共感を覚えました。心が温かくなる映画です。