玉川徹 マイナ問題めぐり「不安にちゃんと応えてほしい」

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   司会の羽鳥慎一が「河野太郎デジタル大臣が昨日6月7日、マイナンバーと紐づいている公金の受取口座を調べた結果を公表しました。本人ではなく家族名義の口座などが登録されていたケースが13万件にも上ることがわかりました」と伝えた。

   河野大臣は「公金受取口座の総点検を5月20日から行ってきた結果をお知らせしたい」として、他人名義がご登録された可能性のある口座が748件、家族名義や同居人名義だった口座が約13万件確認されたことを発表。そもそも公金受け取りの口座は本人名義の口座のみが認められるもの。システムの設計や事前周知の不備が浮き彫りとなった形だ。

  • デジタル庁サイトより
    デジタル庁サイトより
  • デジタル庁サイトより

家族など本人以外の口座登録のケースも

   河野大臣は、家族名義の口座を登録したケースについては、マイナポータルで通知を送り、9月末までに訂正するよう呼びかけるという。他人名義の口座を登録した人については今月中に郵送で通知し、変更手続きを案内するという。デジタル庁は今年2月、国税庁から税金の還付の際に本人名義ではない口座が受取口座になっていると報告を受けていたが、報告されていなかったという。情報を受け取った職員がデジタル庁を離任したからだという。

   トラブルが相次ぐ中、政府は6月6日、マイナンバーカードに関する新たな計画を決定。デザインを一新した新マイナンバーカードの構想も飛び出している。

   スタジオゲストで個人情報に詳しい中央大学の宮下紘教授は「マイナンバーは個人に社会保障を提供するための制度。家族も他人という考えを持っていたのなら、今回のような問題は起きなかったはず。例えば家族のDV(ドメスティックバイオレンス)の被害にあっている人に給付しようとしても、世帯主給付だと本人に届かない。デジタル庁の中に、従来型の世帯主給付、家族をひとつの団体として給付するという発想が残っていたからではないかと思っている」とコメント。

   羽鳥が「2026年から新たなマイナンバーカードを導入するということについてはどうですか?」と問うと、宮下教授は「制度上の大きな問題点はない。表面情報を削除していくとしているが、身分証として使っている人も多く、併用期間を認めるなどしてトラブルを未然に防止していくのが賢明だと思う。ここにきてトラブルが頻発しているのは、マイナンバー取得を急速に推し進めて現場が追い付けなかったからだと思う」と話した。

   社会起業家の石山アンジュは「6月2日にマイナンバー法(案)が可決して、そのすぐ後にこの数字が出た。可決前に公表できたのではないか。秋の臨時国会に回してもよかったのではないか」とコメント。

   弁護士の結城東輝は「13万件という数字を多いとみるか、少ないとみるか。全体の0.2%ぐらいです。デジ庁職員というか、今まで世帯主に給付していた自治体の職員が世帯主の口座でもいいんじゃないかと拙速に登録させた可能性もあるかも。本人ではない口座を登録できないようなシステムを作ることが大事なのではないか」と指摘。

   テレビ朝日の玉川徹は「河野大臣の無理やりな進め方の弊害がここに出ているんじゃないのかな。マイナポイントとか2兆円かけて、それでも進まないと健康保険証を人質にとるような形で進めている。本当にいいもので、私たちもいいものだと思えば、そんなことしなくても勝手に普及する。ETCカードだって20年たって、高速ゲートに人を配置するのをやめようかという検討が始まった。それをマイナ保険証は導入の検討から2年未満で廃止するという話になっている」と指摘。

   さらに「マイナカードは義務じゃないので、取得をメリットというよりリスクと思う人がカードを持たない自由もあるはず。そういう不安にちゃんと応えてほしい」と主張した。

(バルバス)

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