「地下神殿」ツアーなど人気 「無人島へ上陸」も(ZIP!)

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   「地下神殿」と呼ばれる広大な空間がある埼玉県の地下放水路など、私たちの生活を支える重要な「インフラ」施設を探検する「インフラツーリズム」が人気だ。6日(2023年6月)の「ZIP!」が、東京湾の無人島などのツアーを特集した。

   春日部市の「首都圏外郭放水路」は、2021年2月からツアーを毎日開催(約1時間で1000円)している。奥行きが177メートル、高さ18メートルのコンクリート空間を歩く50人の見物客にアナウンスが流れる。「雨がたくさん降ると、小さな川はすぐにいっぱいになり、あふれそうになります。その『洪水』を大きな川・江戸川に流すために作られた『地下の川』です」。都市周辺の水害を最小限に抑える仕組みだ。

  • 雨から都市を守る施設も(写真はイメージ)
    雨から都市を守る施設も(写真はイメージ)
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スマホによる水害の「疑似体験」も

   先月22日にも関東地方は大雨に襲われた。この時は約8万トンの水が、この放水路に集まった。このツアーで、最近始まったのが、スマホによる水害の「疑似体験」。ツアーで配られたパンフレットから、専用アプリをダウンロード。スマホで目の前の空間を見ると、画面には、目の前の景色に水が溜まっていく様子が映し出される。「最近は水害が多いが、こういう施設が東京を守っているんだと知って、ビックリしました」とツアー客。地上に出ると、テンプラがのった「地下神殿藤うどん」(1280円)などグルメも楽しめる。

   インフラツアーは年々増え、群馬県の八ッ場ダムなど年間400件以上に。18年以降は、国と民間会社が協力してツアーを実施。北海道室蘭市の白鳥大橋では、21年から、高さ100メートルの塔に上れるようになった。「主塔登頂クルーズ」は、約2時間で5500円。

   関東で人気上昇中なのは、東京湾の「立ち入り禁止の人工島」ツアー(1万6900円、約3時間半)だ。神奈川県横須賀市の三笠桟橋を出港して約10分で「猿島」に到着。戦時中に要塞として使われ、現在は無人島に。「もともと山だったが、当時の軍が切り開いて作った、切通しという道になっているんです」とガイドの声。様々な遺跡が残り、「ジブリの世界。ラピュタみたい」(ツアー客)。コスプレーヤーが写真を撮っていた。

   そこから30分で「第2海堡」へ。東京湾の入り口、神奈川県と千葉県の間に作られた人工島だ。戦時中に東京を守るために作られた「軍事要塞」で「東の軍艦島」とも呼ばれる。一般人の上陸は禁止されていたが、2019年からツアーでのみ、上陸が可能になった。兵隊が見張りをしていた「防空指揮所」や砲台跡、要塞の入り口なども見られる。現在でも大型船がこの西(三浦半島)側を通行しているが、東側は浅瀬が広がっているからだ。

   千葉県富津市には、海の幸を盛った「海堡丼」もあるそうだ。

(栄)

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