藤井聡太七冠の強さのヒミツ 「悪手の数値」との関係(ZIP!)

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   藤井聡太・七冠(20)が5日(2023年6月)、初めての海外対戦となったベトナムのダナンで、「棋聖」防衛戦の第1局に勝利、タイトル防衛に近づいた。最年少記録を更新する藤井七冠はなぜ強いのか。そのヒミツを、6日の「ZIP!」?よミトく!コーナーが探った。

   挑戦者の佐々木大地・七段(28)との五番勝負が始まった。これまでの対戦成績は2勝ずつ。勝利の後、藤井七冠は、「距離感をはかるのが難しい将棋だったかな」。

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水ト麻美アナ「期待されるのが、8つあるタイトルの完全制覇です」

   藤井七冠のこれまでの「最年少記録」を振り返ると。

   まず、2016年に史上最年少の14歳2カ月でプロ入り。20年の7月に「棋聖」、8月に「王位」のタイトルを取り、18歳1カ月で「二冠」を達成。21年には、9月に「叡王」、11月に「竜王」をとり、19歳3カ月で「四冠」となった。その3カ月後の22年2月には「王将」となり、19歳6カ月で「五冠」を達成した。23年3月には「棋王」、6月に「名人」となり、20歳10カ月で「七冠」となった。

   7つのタイトルはすべて最年少記録、「七冠」は羽生善治9段以来2人目だった。

   どれほど大変なことなのか。

   マイナビ出版将棋書籍編集部の島田修二・編集部長は、「タイトル保持者が常に一人いて、その挑戦権を争っている。そのなかで、1位にならなければならない」「挑戦者はタイトル保持者に向けた研究をしてくる。それを跳ね返してタイトルを複数個持つのはさらに難しい」。プロの棋士は約170人いるが、ほとんどがタイトル挑戦権に届かずに引退する。7つのタイトル独占は、プロの中でも突出した実力だ。

   藤井七冠の強さは、どの辺にあるのか?

   島田部長は「将棋には『いい手』が2~3個くらいしかなくて、そのなかで優劣がある。藤井七冠の場合は『悪い手』を選ぶ確率がすごく低い」。

   AIが示すトップ棋士の「悪手の数値」の研究によると、最善の手を「ゼロ」として、これ以外の「状況を悪くしてしまう手」を数値化したものだが、2021年度は、羽生善治9段が約-55点、渡辺明9段は約-47点だったのに対し、藤井七冠は-31点だった。藤井七冠は突出して「悪い手」が少なく、相手にスキを与えないことがわかる。

   MCの水ト麻美アナは「藤井七冠に期待されるのが、8つあるタイトルの完全制覇です」。羽生善治9段は1996年に「七冠を完全制覇」した。その後に「叡王」のタイトルが追加され、現在は「八冠」となっている。藤井七冠がとっていないのが「王座」。羽生9段が七冠の座を保持できたのは、五カ月ほどだった。藤井七冠の今後のスケジュールは、「棋聖」五番勝負が最長で8月まで、「王位」防衛の七番勝負は7月7日から、「王座」の挑戦者決定トーナメントも(日程は未定)これと並行して行われることになる。

(栄)

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