日本各地で高級魚クロマグロが異例の豊漁となっているそうだ。通常なら年間に1~2本しかかからないという定置網に200本以上がかかるなど、漁師にとってはウハウハな状況と思いきや、「素直に喜べない事情もあります」ときょう2日(2023年6月)の「モーニングショー」で、MCの羽鳥慎一が伝えた。
本来マグロ漁は、これから冬にかけて最盛期を迎えるのだが、ことしは全国各地で異例の大漁が続いている。ことし2月、新潟・佐渡市で160本を超える水揚げがあり、4月上旬には沖縄・石垣島で200キロ前後のクロマグロが4本あがった。
海水温との関係
岩手・大船渡市や陸前高田市では通常は定置網漁でサバやイワシ、タラなどが水揚げされている。ところが4月中旬、230本のクロマグロが定置網にかかった。椿定置網船団の臼井英夫・団長は「見たことのないような魚群だったので、みんなびっくりして見ていた。この日の水揚げだけで6400万円ぐらいになりました」と話していた。
大漁の理由について、東海大学海洋学部の山田吉彦教授は「海水温が例年より高く、エサとなるイワシが増えていること」「国際的な資源保護によって個体数が増えていること」の2点を挙げ、大漁は夏まで続く可能性があると指摘する。
ところが、岩手の臼井団長は「もうマグロは見たくないですね」。嬉しいはずの豊漁が、漁業関係者を困惑させているのはなぜか。
野上慎平アナウンサー「岩手県のクロマグロには漁獲制限があり、今年度の漁獲可能量は60.9トンですが、すでに51.8トンと8割を超えています。このため岩手県は自粛要請を出しており、クロマグロが網に入っていても放流しなければならないのです」
放流の際、他の魚も逃げてしまうため全体の水揚げ量が減ってしまうほか、クロマグロが暴れて網を壊してしまうおそれもあるという。
コメントを求められた長嶋一茂(元プロ野球選手)は「マグロと言えば、テレ朝じゃないですか」と、2007年にテレビ朝日系列で放映された渡哲也さん(故人)主演のドラマ『マグロ』に言及し、ここからしばし脱線。
長嶋「僕も出ましたけどね。渡哲也さんと共演しました」
羽鳥「うそでしょ?」
玉川徹(テレビ朝日社員)「マグロの役?」
長嶋「マグロの役はできないよ。渡さんの主治医の役です」
羽鳥「大胆なキャスティングですね」
このあと長嶋は「それはいいんだけど」と自ら軌道修正し、「ここ数年、気候変動もあってお寿司屋さんでは『今まで獲れた場所で獲れなくなって、獲れなかった場所で獲れるようになった』という話は前からあった。今後、漁師さんたちを泣かさないため、漁獲制限のルールも変えていかないといけないのでは」ともっともなコメントをしていた。
(キャンディ)