公邸での忘年会や閣僚ごっこで、首相秘書官を事実上更迭された岸田文雄首相の長男の問題。きょう31日（2023年5月）の「モーニングショー」は政治家の世襲という側面をとりあげた。
岸田翔太郎秘書官（32）はあす6月1日付で辞職することが決まっている。先週末に親子2人で進退について話し合い、翔太郎氏が自ら辞表を書いて官房長官に提出したという。退職金やボーナスは辞退・返納する。今後は議員会館の秘書として残る。
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政治家の世襲めぐり論議も
政治家の世襲の現状は？
MCの羽鳥慎一が紹介した政府関係者のコメントが驚きだ。「この後しばらく表に出てくることはできないだろうが、首相の後継として出てくるころには皆さん忘れているのでは」という声があるそうだ。
羽鳥「このタイミングで政府関係者のこの発言はすごいですね」
安部敏樹（リディラバ代表）「なめられてますね。岸田さんの地元の有権者は本当に肝に銘じた方がいい。こういう人を支援している人の質が問われていると思いますね」
玉川徹（テレビ朝日社員）「今回の件は我々がびっくりするほど関心が高いんです。国民は究極の親ガチャを見せつけられているからではないか。それが怒りに結びつくならいいが、無力感になってしまうと政治的無関心がさらに進んでしまいます」
岸田家は3代続けて衆院議員。岸田首相自身も銀行に就職後、父の議員秘書になり、その後議員に初当選した。
過去20年の首相で見ると、旧民主党の1人を含め9人中6人が世襲議員だ。自民党だけだと、菅義偉氏を除く全員が世襲となっている。2021年に行われた前回の衆院選では、衆院議員465人のうち108人が世襲議員で全当選者の23.2％を占めた。
「これを海外と比較してみましょう」と羽鳥。G7広島サミットに参加した首脳のうち世襲議員は岸田氏とカナダのトルドー首相のみ。イギリスの下院議員では、家族に現職・元職の下院議員がいる人は全体の約7.4％にとどまっている。
元衆議院議員で弁護士の菅野志桜里氏「（翔太郎氏の問題は）一般人であれば秘書官になり得なかった人がなってしまった。秘書官という公的な立場を息子のキャリアの一里塚に利用して後継指名につなげようとしていることが見えていたのに、そんなものだろうと見過ごしていた私たち社会の問題でもあると思います」
政治ジャーナリストの田﨑史郎氏が「（岸田首相の後任として）今、自民党内で言われているのが茂木敏充・幹事長、河野太郎・デジタル相、林芳正・外相。茂木さん以外の2人は世襲議員なので、次も世襲になる可能性があります」と解説すると、玉川らは「なるほどねえ」とため息をついていた。
（キャンディ）