「岸田総理肝いりの『異次元の少子化対策』。その財源について議論が続いていますが、気付いたら、増税はしていないのに国民の負担が増えていく『ステルス増税』になる可能性があると専門家が指摘しています」とMCの谷原章介。少子化対策の財源はどうするべきなのか。31日(2023年5月)の「めざまし8」で議論になった。
岸田総理は「少子化対策財源確保のための増税はしない」と明言。しかしその一方、政府は社会保険料に上乗せすることを検討。国民1人当たり年間最大およそ6000円の負担増を想定している。
その対策で本当に人口減少に歯止めがかかる?
これについてジャーナリストの小倉健一氏は「増税と明確に分からないのにも関わらず、実態はただの増税ですよね。隠す意図がある。つまり『ステルス増税』の意図があるんじゃないか」と話す。
谷原「はっきり増税と言わないで、社会保険料で広く薄く徴収しようって検討している方向性、正直ずるいと思ってしまうんですが」
小倉氏「そうなんですよね。『保険料』って言葉には、あたかも『困ったら助けてくれるもの』みたいなポジティブな響きがあるのですが、よく考えたら増税にほかならない」
「異次元の少子化対策」の柱の1つは、児童手当の拡充。手当の対象を現在の「中学生まで」から「高校生まで」にすること、第3子以降の手当ての額を月、1万5000円から3万円に増やすことなどが検討されている。
スタジオでは、デービッド・アトキンソン(実業家)が熱く語った。
「政府支出を増やすのなら増税は当たり前の話。国債なんかでやるってなると『他人が払っている』みたいな感じになるけれど、税金が増えれば国民が注目し、『これは適切なのか』という議論も巻き起こる。もう1つは、『日本は国民負担が重い』というのは事実ではない。世界15位なので、割と少ない。『色々な補助はもらいたいけど、お金を払うつもりはない』というのは無責任極まりない話」。
さらに、「ポイントは違うが、この少子化対策は因果関係が証明されてない。こういうことをやることで、人口減少に歯止めがかかるとは思わない。1番大きいのは『なぜ結婚をしないのか』という点。大卒の初任給がもともとは最低賃金の2倍だったのに1.3倍にまで下がっていることが問題の根源。そういう対策を出さず、なんの因果関係もないところでごまかしているとしか思えない」と指摘。金子恵美(元衆院議員)も同意した。
若狭勝(弁護士)は「政府がもっと軸足を持って、しっかりとヴィジョンを示し、解散総選挙でもいいから国民に選択を求めること。増税でも社会保険料上乗せでもいいが、ある程度きちんと決めて、なぜそれが必要なのかを打ち出した上で国民の真意を問うのがあるべき姿だと思う」と話した。
(ピノコ)