マイナポイントが誤って他人に付与される、というトラブルが、去年の8月に発覚したにもかかわらず、河野太郎デジタル担当大臣に、今月まで報告されていなかったことがわかった。30日(2023年5月)の「モーニングショー」が、特集で伝えた。
河野デジタル担当大臣は29日の参院特別委員会で、「広く広報しておくべきであった。反省をしなければならん、と思っております」。大臣は、先週水曜日の報道で初めて知ったという。
「情報共有」めぐる齟齬も
「8月に分かって9月にはもうデジタル庁も総務省もつかんでいて、実際に改修されたのは4月ですよ。この間に何をやってたんですか」(杉尾秀哉議員=立憲民主党)。
「担当者は把握していたが、管理職以上に情報が回ってきたのが、報道の際に確認をした時に、幹部を含めて全員が知ると。その間は担当が判断して動いた。上下左右への情報共有に不備があったことについては、深く反省しております」(デジタル庁村上統括官)
なぜ、発覚直後に公表しなかったのか?
「個別の事案の公表については、各自治体の判断にゆだねていた」(総務省審議官)
公金受取口座の誤登録についても、河野大臣が報告を受けたのは、19日だった。「誤登録」については25日、大分市の足立信也市長は「人的エラーなので、ということで、とくに公表はしないで、というのを、ずっと現在もデジタル庁の姿勢はそういう姿勢です」「懸念が生じるので、公表してもいいですか?という相談をしています」。大分市では、去年11月に公金受取口座の誤登録が発覚したが、デジタル庁が「人的エラー」のため公表しないと伝達。これに対し、デジタル庁楠統括官は、「デジタル庁側から公表を控えるようお伝えしたような事実はございません」「そもそも大分市から、公表したいといった相談は受けていない」。
こうしたトラブルに、街の声は。
「同じこと何回もやるでしょ。何やってるの?ってみんな思っている」(60代女性)
「さんざん作れ作れと言っておきながら、どうしてあんなミスをするんだろう」(80代女性)
全国保険医団体連合会の調べでは、全国の2385の医療機関のうち6割が、マイナ保険証システムのトラブルを経験した。患者の情報が正しく表示されない、別人の情報が表示、本人と他人の情報が同時に表示、など。なかには、マイナ保険証を持参したのに、システムに反映されておらず「無保険扱い」として「医療費10割請求」された案件が206件あった。
マイナンバー法改正案は4月27日に衆院本会議で可決されており、参院で可決・成立すれば現行の健康保険証は来年秋に廃止されることになる。同連合会の住江憲勇会長は「医療情報の誤登録は重大な事故につながりかねないため、直ちに運用を停止、マイナンバー法改正案の廃棄を求める」。共同通信の世論調査では、マイナカード拡大に不安が70%だ。
MCの羽鳥慎一は「(マイナ拡大が)進めば便利だなとは思うんですが。急ぎ過ぎかなという感じはしますね」
(栄)