司会の谷原章介がオープニングで「では、参りましょう。この映像がニュース!」と切り出すと、酒主義久アナが「ある市議会で前代未聞の事態。臨時議長を務めた70代の議員が議場からのヤジに怒号で応戦しました」と伝えた。25日(2023年5月)の「めざまし8」。
これは5月22日、栃木・足利市議会でのこと。議長席に座る男性が「何言ってんだ、お前は!」と怒鳴り、議場は騒然とした。この日、市議会で行われていたのは新たな議長を決める選挙で、問題が起きたのは議長に立候補した女性市議の答弁の直後だった。
ヤジに対して...
女性市議の発言に納得がいかないというヤジが飛ぶ。この後に別の市議が質問し、「議長は質問と答弁がかみ合っていないことを答弁者に注意をして頂くべきです」と指摘。臨時議長が「私は答弁者が発言していたから、いいと思って発言させたまでです」と発言すると、議場から「それじゃあ成り立たない」とヤジが。すると臨時議長は「成り立たないって言ったってしょうがなかんべ。何言ってんだお前は!」と叫んだ。
怒号を飛ばしたのは、正式な議長が決まるまでの間、臨時で議長を務めた三田研三市議(75)。「議長は議会内の秩序を維持しなければなりません。只今の発言は訂正してください」との要求に対し、「わかってます、それは」と言うが「何の謝罪をするの!オレは何にも悪いことしてないよ!」と逆ギレ状態になってしまった。
女性市議答弁後に質問した市議に話を聞くと「議長席でこのような発言をするという例がこれまでなかった。残念です」と話した。三田市議は「今も怒鳴ってるとは思ってないよ」と自分に非はないと主張。さらに「自分は5月22日に初めて仮議長になった。まったくの初めてなんだよ。今年初めてオレは市会議員になって、初めて仮議長になった」と話した。
いったいなぜ当選したばかりの新人議員が臨時の議長を務めることになったのか。小室瑛莉子アナは「地方自治法107条で、『選挙後の最初の議会では最年長の議員が臨時議長を務めて、正式な議長を選出する』という決まりがあるんです。三田市議は初当選でしたが、75歳と最年長でした。初議会だったということで、同情の余地はあると思いますが、実は以前にもこのようなことはありました。三田市議は市長との初顔合わせでガムを噛んでいたということで、市長に注意をされたこともあると言います」と説明。ある市議は「足利市は議員のなり手不足が深刻という問題も無関係ではない」と指摘している。
谷原が「これは、議員のなり手不足が原因なのか、それとも年長者が仮議長を務めよという地方自治法の問題なのか?」と話すと、フジテレビ解説委員の風間晋は「この映像を見て、議員になりたいという女性や若者はまずいないでしょう。僕は臨時議長もかなりヤンチャだと思いますが、発端になったのはヤジでもある。古色蒼然としている。地方自治法は1947年の成立で、2000年に改正されたが、人口減、高齢化、経済縮小、ダイバーシティなど、今の事情に乗り遅れている。そこを変えていかないと地方自治は心配です」と解説した。
(バルバス)