今日22日(2023年5月)の「ZIP!」は、G7広島サミットに急遽来日したウクライナ・ゼレンスキー大統領の話題を大きく取り上げた。
G7最終日となった21日に岸田首相とともに原爆資料館を訪れたゼレンスキー大統領は「我々の街は、原爆資料館で見た廃墟にそっくりだ。今の広島は復興された街だ。我々も同じように復興したい。人類の歴史から戦争をなくさなければならない」と、被爆地広島から平和を訴えた。世界に向けては「私が広島にいるのは、ウクライナから世界へ団結を呼びかけるためだ」と支援を呼びかけた。
「広島からメッセージ」の意味合い
ゼレンスキー大統領は岸田首相と会談。「ロシアの核兵器による威嚇や使用はあってはならない」と表明した岸田首相に対し、大統領は「支持を表明していただき一生忘れない」と感謝を表明した。日本からのウクライナに対する新たな支援として、自衛隊トラックの100台供与、3万食分の非常食、負傷兵の自衛隊中央病院受け入れなども発表された。
さらにゼレンスキー大統領は米バイデン大統領ら各国首脳とも会談するなど、怒涛の外交。アメリカはこれまで消極的だったF16戦闘機の同盟国による供与を認めるなど大きな成果をあげた。
平本典昭(日本テレビ政治部官邸キャップ)「戦時下のトップが平和都市広島に来て核なき世界に向けたメッセージを発信した。これが一番大きい。もう一つ大事なのは復興。広島がとげた復興をウクライナも遂げたい。このメッセージを広島から出したのは大きい」
風間俊介(タレント)「G7はロシアと中国に対してのメッセージも強く打ち出していたと思う。ロシア側はどのように受け止めていたんでしょうか」
平本典昭キャップ「G7首脳の間にゼレンスキー大統領がいた頭撮りの映像はロシア、中国に対して大きなメッセージになった。もちろん反発もします。ロシアがどのような行動に出るのか見ていかなければいけない。(サミットは)ゼレンスキー大統領が登場した最終日に一気に雰囲気が変わった。各国の温度感を一気に上げた」
ロシア外務省は21日、「(G7声明は)反ロシア、反中国的な悪意に満ちた一連の声明だ。(ゼレンスキー大統領の参加はG7を)プロパガンダショーに変えた」と声明を発表した。
G7広島サミットでの岸田首相の成果はどうだったのか。
平本典昭キャップ「岸田総理にとっての大事な成果は核なき世界に向けた強いメッセージ。G7 首脳と原爆資料館を見学しメッセージを出す。核軍縮に対する成果文書『広島ビジョン』の発表。ゼレンスキー大統領の来日。政府関係者によると100点満点中150点」
もっとも、課題も残されている。一つはロシアによる核の脅威を抑えて戦争終結に向けてロードマップを描けるか。もう一つは被曝の実相にふれて各国リーダーの核に対する政策決定がどう変わるか。
森圭介アナウンサー「宣言が行動にどう変わるのかということですね」
(みっちゃん)