「目を大きくする」「顔を小さくする」など、SNSに投稿する自分の写真を加工するという人は、7割にのぼるそうだ。きょう17日(2023年5月)の「モーニングショー」が特集で取り上げた。
「SNSに画像を投稿する際に自分の顔を加工するか」という15~49歳の女性を対象にしたアンケート調査によると、すべての年代で7割以上が「加工する」と回答し、20~29歳では76.5%にのぼった。加工の内容は「ニキビなどを消す」「顔のパーツの大きさやバランスを変える」「唇の色味を足す」などだった。
SNS投稿時の加工の影響
「加工するとどうなるか。森山さんと玉川さんです」とMCの羽鳥慎一が披露したのは、森山みなみアナウンサーとコメンテーターの玉川徹(テレビ朝日社員)の2人の加工前と加工後の写真だ。2人とも加工前に比べ、顔が一回り小さくなり、肌が白く、目が大きくなっている。
安部敏樹(リディラバ代表)「玉川さんの変化は大きいですね。別人じゃないか、というぐらい。りりしくなっちゃってますね」
玉川「森山さんは加工前とほとんど変わらないね」
森山アナ「(加工後の方は)少し違和感がありますね」
玉川「僕も自分は加工前の方がいいよ」
SNSをめぐる問題を研究している国際大学GLOCOM(グローバル・コミュニケーション・センター)の山口真一・准教授は、「今ではSNSに投稿するときに写真を加工するのは自然なことになっていて、加工した自分が今の自分だと思っている人がいるぐらい」という。
自分も加工しているなら、投稿された他人の画像も加工されたものだと差し引いて考えればいいのにと思うが、山口准教授によると、他人の画像も補正・加工されているという事実に若い人ほど気づきにくく、現実と比較して自分の容姿や置かれている立場に劣等感を抱いてしまうのだという。
浜田敬子(ジャーナリスト)「SNSに振り回されるのは若者だけではない。私も母の日に『子どもからこんなプレゼントをもらいました』という投稿をたくさん見て、『うちはないわ』と落ち込みました」
SNSの悪影響を防ぐため、ノルウェーでは広告主やインフルエンサーが加工した写真を投稿する際にはその旨を表示することを義務付ける法律がある。アメリカのユタ州では、未成年のSNS利用を制限する法律が成立したばかりだ。
山口准教授「日本では、(SNSの画像加工の問題は)ほとんど議論されてきていない。まずは実態調査が必要。はじめから法規制ありきではなく、啓発方法や自主規制を促す取り組みを検討すべきです」
(キャンディ)