NHKの朝ドラ「らんまん」5月16日(2023年)放送回。万太郎(神木隆之介)は、博物館で野田先生に書いてもらった紹介状を持って、ついに東京大学植物学教室の門を叩く。(ネタバレあり)
英語とバイオリン
この当時大学というのが唯一東大だけだったということは、旧藩士の息子とか、いわゆる生まれながらのエリート、お金持ちのボンボンばっかりだったのだろうか。「勝負服」に着替えた万太郎も、長屋の住人がまじまじと見るほど上から下までお坊ちゃまなのだが。
植物学は理系の学部。青長屋とよばれる文字通り真っ青の校舎に辿り着くと、誰もいない校舎内に足を踏み入れた。セキュリティはなし。100年前の木造の建物はいかにも大学という雰囲気で、小瓶の化学液体や、書物や、植物の標本などよく見ると小道具が面白い。化学室独特の匂いが思い出されるが、きっとこの教室も独特の香りがしたのではないだろうか。
植物研究の最前線を目の当たりにして大興奮の万太郎。そこへ次から次と東大生が教室に入ってきた。万太郎が挨拶をしても「あんた誰?」と相手にされない。それどころか、東大生の個性が溢れすぎ。天才の佃煮である。異様な雰囲気で常人ならば逃げ出したくなるかもしれない。ところが万太郎はさすが同類ゆえか全く臆さず、教室内で田辺(邊)教授が来るという時間まで待つことに。
そこへようやく田辺教授(要潤)が登場。というよりその前からバイオインを弾く要潤が映り、本日最強のパンチ力で異様さを放っていた。シェイクスピアとバイオリンを愛する植物学者である。少女漫画に登場しそうなタイプで、好きか嫌いかはっきりくっきり二分しそう。
「フーアーユー?」と最初の挨拶は、万太郎も驚きの様子。「バイオリン奏でて、英語を話せる田邊教授こと要潤さんかっこよかったです」「ヴァイオリンと英語、要潤の濃いキャラは安定」「クセ強な猛者どもが集まる植物学教室のこれからが楽しみ」など視聴者の声も。この2人の化学反応が吉と出るか凶と出るか、日本の植物学の礎はどのように築かれていくのか、今後の東大物語に期待したい。
(Y・U)