保育園の虐待実態 親ができることは?(ZIP!)

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   「保育園での虐待が相次いでいることを受け、国が初めて全国自治体などを対象に実態調査を行い、その結果が公表されました」と切り出す森圭介アナウンサー。今日15日(2023年5月)の「ZIP!」は、不適切保育問題を取り上げ、対策について専門家に詳しく話を聞いた。

   国が行った実態調査では、去年4月から12月の間に保育園での不適切保育が全国で914件。このうち90件が虐待と確認された。この結果を踏まえ、国は保育園や自治体が取るべき対応をまとめたガイドラインを作成した。これまであいまいだった「不適切な保育」を「虐待などと疑われる事案」と整理。日常的な相談や支援体制などを示した。

  • 子どもの安全を守るには(写真はイメージ)
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森圭介アナ「大半の保育所ではしっかりとした保育が行われているのですが...」

   森圭介アナ「保育所というのは2万2720施設あるので、大半の保育所ではしっかりとした保育が行われているのですが、(虐待と確認された90件という)数字に関してはどうですか」

   普光院亜紀さん(保育園を考える親の会顧問)「8カ月くらいの短い期間に90件というのは少なくない数字だと思います。不適切保育の定義が明確でない中で行われた調査なので、数そのものはいいがたいが、私が親の会で相育園談を受けてきた感じでは、まだ報道されていないような事案の相談も相次いでいる。保を卒園したあとでPTSDになっている例もある」

   森圭介アナ「保育施設には、職員による自治体への虐待などの通報義務がなかったが、今後は児童福祉法を改正し、通報義務化を検討しているということです」

   普光院さん「ガイドラインのフローチャートに保護者があまり出てこない。保護者はいちばん気がつきやすい。保護者が市や施設に訴えた時にどう対応すべきかもう少し明確に、具体的なことを書いて欲しかったと思う」

   普光院さんによると不適切な保育には三つの要因があるという。

   ひとつ目は保育観や理念、規律などの過度な重視。例えば「給食は全部食べる」という規律を守らせるために食べ終わるまでずっと座らせるといったルールが行きすぎてしまうこと。ふたつ目は子どもたちの発達や個性への理解不足といった保育者の資質。そして三つ目は保育者の不足などの保育体制だ。

   普光院さん「保育士が足りないと、研修を受けたり現場で話し合ったりといった時間をとれない。悪循環となる。配置基準を改善することで働きやすい環境が整い、志望者が増えて保育士の質が向上するという好循環が生まれる」

   森圭介アナ「ずっといわれていることだが、なかなか実現しない」

   一方、親としては子どもの話をじっくり聞くことが重要だという。

   普光院さん「親が変な質問をすると誘導しちゃうことがある。楽しくリラックスしておしゃべりをするうちに、『今日は叱られてトイレに閉じ込められた』みたいな話がポロポロっと出てくることがある。子どもの生活に興味を持って知ろうとすることが大切」

   保育園に行きたがらない、家では使わない激しい言葉が出るなどが注意サインとなる。不適切な保育が疑われた場合は、担任の保育士に相談。それが難しい場合は保育園に。そして、保育園が信用できなければ自治体に相談する。憶測ではなく事実を伝えることで、仮に不適切な保育がなくても抑止力になるという。

(みっちゃん)

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