今週、人々を驚かせたのは、夕暮れ時の東京・銀座の目抜き通りで8日(2023年5月)に起きた強盗事件でした。通りがかりの人がスマホで撮影した映像には、仮面姿の男たちが店内でショーケースを割って高級腕時計を奪い、車に乗り込んで逃げるところまで、生々しい犯行の様子がとらえられていました。
それにも増して驚いたのは、現場から逃走した車を乗り捨て、近くのマンションに侵入したなどとして逮捕されたのが高校生を含む16歳から19歳までの若者で、「闇バイト」として集められた可能性があることでした。
重大な犯罪
(J-CAST)ワイドショー通信簿で、いずれもテレビ朝日系「モーニングショー」の記事を拾うと、「銀座強盗も実行犯は「闇バイト」?(略)」(9日)には、元警視庁刑事の吉川祐二氏が「闇バイトのようなシステムで集められたのでは」「特殊詐欺のころからと同じ構図だ。トップがいて、指示役がいて、実行犯がいる」と分析しています。
貴金属店で高級腕時計や貴金属を奪った強盗事件は、今年に入りすでに渋谷や上野、表参道で5件起きていて、実行犯とともに指示役も捕まっているそうです。吉川氏は「特殊詐欺から住宅強盗、貴金属強盗へ」「転売は足が付きやすいが、グループでの犯行だと、転売先を確保している可能性もある」といいます。
「10代4容疑者に元刑事『究極の捨て駒(略)』」(10日)によると、逃走車で逃げ、建造物侵入の疑いで逮捕されたのは、16歳の無職少年、19歳の職業不詳の男、19歳の飲食店アルバイトの男、そして18歳の私立男子高校生。全員横浜市在住ですが、「お互いのことは知らない」と供述しているそうです。多田文明氏(詐欺・悪徳商法ジャーナリスト)は「(闇バイトは)地元の悪い先輩から『いい仕事がある』と紹介されるケースもある。全員横浜ということで、口コミで誘われた可能性もあります」。
「銀座強盗の背景?(略)最新ロレックス事情」(10日)は、「なぜロレックスだったのか」に焦点を当てていました。ロレックスの腕時計は中古品であっても、販売価格がこの4年間で約2.4倍にあがっているとあります。ロレックスの30種類のモデルの平均価格の推移を調べたところ、2018年には約188万円だったのが、2022年には一時452万円まで高騰し、現在は約391万円だそうです。
MCの羽鳥慎一さんは「特にロレックスは資産価値が高く、新品のロレックスはほとんど出回っていない」と説明。浜田敬子さん(ジャーナリスト)も「中国の方に人気が出たことですごく価格が上がった。エルメスのバーキンとシャネルのバッグとロレックスの時計だけは資産価値が落ちないと言われています」とコメントしていました。
刑法では「強盗罪」は「5年以上の有期懲役」、「強盗致傷」は「無期又は6年以上の懲役」が定められています。少年法や特定少年、家裁送致、逆送などの話は別にして、いずれにしても、「バイト」などと軽く呼べない、重大な犯罪なのです。
(コムギ)