誰も調べたことがないような『せま~い歴史』=「バカせまい史」を紹介する、バカリズムの「私のバカせまい史」(フジテレビ系)。これまで3度の特番と、深夜の期間限定レギュラーを経て、この4月(2023年)からついに本格的にレギュラー化された。
ギャラクシー賞月間賞も受賞
特番時代は、「ものまねされ続けて40年 武田鉄矢ものまね進化史」や「脚本家たちの試行錯誤戦争 韓流ドラマ記憶喪失史」(第1回放送)、「ドロドロ昼ドラ愛憎グルメ史」「日本映画最大のミステリー!?『犬神家の一族』スケキヨ足史」(第2回放送)、「ものまね番組ご本人登場史」「柴田理恵号泣史」(第3回放送)などの研究テーマを披露。過去のVTRを駆使し、芸能史を遡る企画はどれもよく出来ていて、感心することしきり。優秀なテレビ番組に贈られるギャラクシー賞月間賞も受賞している。
4月24日放送のレギュラー第1回目でも3本のテーマを紹介。「絶滅の危機を乗り越え続けてきた!箱の中身はなんだろな?史」「ものまね番組の辛口審査員 淡谷のり子の低得点史」「カラオケビデオ俳優史」とどれも興味深い内容だったが、なかでも「淡谷のり子の低得点史」では、フジテレビ「ものまね王座決定戦」の審査員でおなじみの淡谷のり子に毎回、低得点をつけられた清水アキラとの歴史が繙かれていた。
2人の闘いもさることながら、時折映る審査員席の淡谷のり子のお隣りで甲斐甲斐しく世話を焼いていた女優の生田悦子や、先頃、認知症で施設に入ったと話題になったおすぎとピーコの2人の若かりし頃の元気な姿を見つけ、胸に迫るものがあった。そんなことをZ世代に言ったところで、「誰?」って言われるのがオチだろうけど......。
これまで丁寧な取材の元に作られてきた番組だが、レギュラー化で毎週放送することで、雑な取材にならないかだけが心配。
(大熊猫)