岸田文雄首相が標的にされ、爆発物が投げ込まれる事件が15日(2023年4月)に起きました。昨22年7月に安倍元首相が銃撃された事件から9カ月、再び起きた選挙期間中のテロ事件に、衝撃が走りました。今週のワイドショーは要人警護の問題点や容疑者の動機などについて深掘りしていました。
逮捕されたのは兵庫県川西市の木村隆二容疑者(24)。投げたのは手製の金属パイプ爆弾とみられ、爆発したのは50秒後でした。首相は警護員に守られ無事でした。
今後の選挙への影響は?
(J-CAST)ワイドショー通信簿の「『岸田首相に爆発物』で『選挙のあり方』が変わる?」(17日、日テレ系「ZIP!」)は、要人警護の問題を取り上げています。テロ対策に詳しい板橋功さんは「演説は屋内で」など3点を指摘したとあります。屋内なら手荷物検査などもできます。民主主義の根幹である選挙では過度な警備は結果を歪めるとし、政党側と警備側がどこまでやるのか議論すべきだともいいます。
「内閣支持率10ポイント超アップ(略)『影響があった』」(17日、テレビ朝日系「モーニングショー」)は、事件発生の15日を含め2日間のテレ朝世論調査の結果、内閣支持率は45.3%で前回より10.2ポイントも跳ね上がったとあります。支持しないは34.6%(4.4ポイントダウン)で、ただしその約8割が「政府の少子化対策で問題は改善しない」だったようです。テレ朝官邸キャップの千々岩記者は「回復基調にあったが、ここまで上がるとは。今度の事件の影響があった」と話したとあります。
「(略)容疑者の『黙秘』が意味するコト」(17日、フジテレビ系「めざまし8」)には、容疑者は元々明るい子だったが、中学から孤立していたとあります。両親、兄、姉の5人暮らしで、「お父さんはよく怒っていた。一方的に。だからかわいそうという印象しかない」という近隣住民の話も紹介しています。
「容疑者の『政治的主張』は『番組で取り上げる必要もない』(略)」(19日、テレビ朝日系「モーニングショー」)には、容疑者は昨(2022)年夏の参院選に立候補しようとしましたが、年齢制限や供託金を用意できず、「立候補できなかったのは憲法違反だ」として国を提訴していたとあります。提出書面では岸田政権や政治家への批判が展開されていて、昨年11月に神戸地裁が請求を棄却、容疑者は大阪高裁に控訴中だそうです。
安部敏樹さん(起業家)は「暴力行為を介した時点でこういった意見に耳を貸す必要は全くない。(動機かどうかわからないので)番組で取り上げる必要もない」と話したとあります。
それにしても、もし大爆発が瞬時に起きていたら、首相だけでなく聴衆にも甚大な被害がでていた可能性があります。無差別テロにも備えた十分な対策が必要だとも思います。
(コムギ)