作家の西加奈子さんが21日(2023年4月)放送の「あさイチ」(NHK総合)に生出演。初のノンフィクション作品『くもをさがす』では、8か月にわたった乳がん治療中の思いをつづっている。
華丸が気になったのは、カナダのドクターの態度
西さんが乳がんと診断されたのは、家族とともにカナダ・バンクーバーに語学留学をしていた最中。コロナ禍で日本に戻ることもできない中、現地の友人たちに支えられながら大変な時期を乗り切ったという。
乳がんが見つかる数か月前からしこりに気付いていたというが、パンデミックで医療はひっ迫。なかなか病院にたどり着くことができなかったそうだ。そんな中、ある出来事が...。
「ある日、脚にすごい虫刺されができて。友達に聞いたら『それ、ベッドバグかもよ?』って。いわゆる南京虫なんですけど、それが出ちゃったら家中を消毒しに来るくらい大変なことで、重い腰を上げてクリニックに。そしたら『それはベッドバグじゃない。クモかなんかに噛まれたんちゃうか』って。で、『ほかになんかないか?』って言われて。『1分だけなら診たるけど』みたいな。で、『そういえば、しこりがあるんですけど』って伝えたら、1分以上かけて診てくれて『ほんまや。しこりあるやん』って紹介状を書いてくれた」
博多華丸「虫が知らせてくれたみたいなね。...で、ドクターはそんなに上から言う感じだったんですか?」
西さん「(笑)。ほんまに、脚を診た後もこんな感じなんですよ。(後ずさりしながら)『なんかないか、なんかないか、もう行くで』って。めちゃくちゃ忙しそうで。英語なんですけど、私にはそう聞こえて」
大吉キャスターは、ノンフィクションを書こうと思ったきっかけについて質問。西さんによると、最初は告知されてからの気持ちをつづった日記だったというが。
「手前味噌ですが、『これは今まで自分が書いたものと違うぞ』って。『これは稀に見る自分にとって正直なものだ。これは読んで欲しい。読まれたがっている』って思って。で、信頼している編集の方に読んでもらって世に出し得るものかどうかをジャッジしてもらった。それが本になった経緯です」
西さん「ただまあ、どっかちょっと『こんな思いしてんから無駄にしたない』っていう。『カネにしたい』みたいな(笑)。正直、正直、いや、正直!ごめんなさい」
このオチに、出演者は爆笑。大吉キャスターは「いやらしい話ね。どんだけ大変だったかっていうね」と同調していた。
(ピノコ)