日本時間18日(2023年4月)午前1時過ぎからボストンのフェンウェイ・パークで行われたレッドソックス対エンゼルス戦では、WBCでともに戦った侍ジャパン戦士、大谷翔平選手と吉田正尚選手の日本人対決に注目が集まった。
試合は5-4でエンゼルスが勝利したが、雨による中断などの影響で投手・大谷は2回1失点で降板。打者としては5打数2安打で勝利に貢献。一方、吉田選手は4打数ノーヒットだった。大谷選手と吉田選手の直接対決は初回の1打席のみ。初対決では大谷が158キロの直球で吉田選手を三振に仕留めた。
「フリスビーのような水平方向の動き」
大谷選手に軍配が上がった日本人対決について、18日の「ZIP!」が着目したのは横に滑るように大きく曲がる大谷選手の魔球「スイーパー」。メジャーリーグの公式ホームページで「従来のスライダーとは異なり、フリスビーのような水平方向の動き」と紹介されている。番組では元メジャー投手の五十嵐亮太さんを招いて、その秘密に迫った。
五十嵐亮太さん「今年からなんですよ。メジャーリーグ打者が大谷選手のスライダー打てないということで、ただのスライダーじゃないよね。スイーパー。こんな感じです。(大谷選手の投げる球の)50%以上です」
スイーパーの語源「Sweep」はゴミを掃くといった意味。横に動きながら落ちていくスライダーとは異なり、横に行く。ベースの幅を超えて46センチも曲がるという。
実際どのくらい曲がるのか、スタジオでは山下健二郎(ダンサー、俳優)がバットを持って立ち、球の動きを実感した。
五十嵐亮太さん「届くと思ったら逃げていく。インコースに来たら『危ない』と思うんだけどストライク」
森圭介アナウンサー「なんで大谷選手が投げられるんですか」
五十嵐亮太さん「160キロ前後投げられるピッチャー。腕の振りが速いからこそ投げられる」
司会の水卜麻美アナウンサー「他には投げられる人いないんですか」
なぜスイーパーが打てないのか。
五十嵐亮太さん「スイーパーが来るかもしれないと思って真っ直ぐが来ると根元に当たる。スプリットもある。バッターとしては的を絞りにくいし、絞ったとしても打ちにくい」
吉田選手とのメジャー初対決でも、1球目、2球目とスイーパーで追い込んだが、五十嵐さんによるとポイントは3球目のボールになったカーブ。
五十嵐亮太さん「吉田選手はある程度スイーパーが頭に入っていた。そこで緩急を使ったカーブ。もしかして次にスプリットが来るんじゃないか。スイーパーが来るんじゃないか。最後の4球目が真っ直ぐだったんでピッチャーの抑え方としては最高」
この試合で大谷選手が投じたカーブはこの一球だけだった。
五十嵐亮太さん「吉田選手を意識した配球だった。もっと投げてもいいがスイーパー、ストレート、スプリットだけで抑えられる自信がある。大谷投手はまだ隠し持っているものがたくさんあると思う」
(みっちゃん)