「岸田首相に爆発物」容疑者の人物像 地元関係者が語ったこと(ZIP!)

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   おととい15日(2023年4月)午前11時30分頃、和歌山市の漁港で開かれた岸田首相の演説会場で筒状の爆発物が投げられる事件が発生した。岸田首相にケガなどはなかったが、現場にいた2人が軽いケガ。和歌山県警は威力業務妨害の疑いで木村隆二容疑者(24)を現行犯逮捕した。現場で一体何が起きていたのか?容疑者はどんな人物か?17日の「ZIP!」はこの事件を大きく取り上げた。

  • 岸田首相(写真)
    岸田首相(写真)
  • 岸田首相(写真)

爆発までの「時間差」の理由

   事件当日、衆院補欠選挙の応援演説で和歌山入りしていた岸田首相はふるまわれた刺身を試食、新鮮なエビとともに記念撮影などを行っていた。その後首相は応援演説場所へと移動したが、そのおよそ1分後、突然何かが落ちたような音がしたと思うと、観衆の中にいた若い男を周りの人たちが取り押さえようとする。そして、最初の音から約50秒後に大きな爆発音。首相がいた場所の近くからは白い煙が上がっていた。

   目撃者からは「黒い筒のようなものが飛んできて、端っこのほうがチカチカ光っていて、ヤバイと思って走って逃げた」「発煙筒みたいなの投げたわ」「銀色のジュース缶のようなもの」と事件の様子を証言する。木村容疑者の数歩後ろにいた人は「まったく変な動きはなく、まさかって感じ。警察の人が『逃げろ』といったから逃げた」。演説会場で取材していた日本テレビ政治部の西山直輝記者は「硝煙のにおいというか、鼻にツンとくるにおいがしていて、爆弾が一つじゃないかもしれないというのが頭の中にあった。次の爆発が起こったら本当に命が危ないかもしれない」と語る。

   爆発物について銃器研究家の高倉総一郎さんは「大量の白煙と破裂したときに低く重たい音。シンプルなパイプ爆弾。周りにナットのようなものが糸でくくりつけられていて、金属片を飛散させようとしている」と分析する。爆発まで50秒ほどの時差があったことについては「第一に考えられるのが失敗。導火線で爆発させようとしたものの、なかなか発火に至らなかった。遅発の可能性」と指摘する。木村容疑者は右手にライターを持ち、火をつけて投げたのではないかという。

   最初に木村容疑者を取り押さえたのは現場にいた漁師の男性。柔道経験もあるという男性は取材に「左前方に犯人がいた。投げたのを見てから犯人を見たら、まだ手元で何かしているのが見えたので襲いかかった。安倍元首相の一件もあったのでまさかと思いながら。無我夢中で押さえた。結果的に爆発せずにほんまによかった」と応えた。取り押さえたときの木村容疑者は、無抵抗で言葉も全然なかったが、手に持っているものは離さなかったという。事件後、男性の元には岸田首相から感謝の電話があったという。

   一方、兵庫県川西市で家族と暮らしている木村容疑者。番組が取材すると近所の人からは「ジャージー上下着て草刈りを手伝っていた。常識の範囲で普通の青年」といった声が。中学の同級生は「おとなしい感じ、一人で机に座っているような」と印象を語る。自民党関係者によると去年9月、木村容疑者は川西市の市政報告会に参加し、「川西市議の報酬は良いですか」など、議員活動について熱心に質問していたという。

(みっちゃん)

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