18歳になった万太郎(神木隆之介)は植物採集に没頭する毎日を送っていた。
「峰屋」が蔵人たちを出迎える大切な日も、万太郎は横倉山で見たことのない花を採取していて遅刻。タキ(松坂慶子)をはじめとする峰屋の手代衆は、そんな万太郎に頭を悩ませていた。
危険な行為を見かねて...
一方の姉・綾(佐久間由衣)は次々と舞い込んでくる縁談には興味がなく、酒造りへの情熱を一層強めていた。綾は、麹造りを担当することになった幸吉(笠松将)に酒造りを教えてもらうことになる。
綾と幸吉が親しくなっていく様子を見て、竹雄(志尊淳)は複雑な気持ちに。今では立派な働き手となった竹雄は、綾に密かに想いを寄せていたのだ。
そんなある日、東京で開催される博覧会に「峰屋」の酒を出品しないかという話がくる。タキは乗り気ではなかったが、万太郎の強い勧めに説得される。
当主としての自覚が芽生えたと綾たちは喜ぶが、実のところ、万太郎は憧れの植物学者に会いたいだけだった。
春。竹雄を連れて上京を果たした万太郎は、博覧会の懇親会であいさつがてらに酒を口にして酔っぱらってしまう。下戸だったのだ。
万太郎は「ゲコでゲコで、カエルじゃあ」と笑いながら会場を飛び出し、広場のエノキに登る。
その危険な行為を見かねて声をかけてきたのは菓子屋「白梅堂」の娘・寿恵子(浜辺美波)だ。万太郎、一目惚れの瞬間であった。
寿恵子は追いかけてきた竹雄に万太郎を託すと、人混みの中に消えていった。
酒の品評会の翌日、万太郎は上京の目的を果たすため、博物館に足を運ぶ。
とうとう植物学者・野田基善(田辺誠一)と里中芳生(いとうせいこう)と会うことができ、2人の話に大いに刺激を受けた万太郎。「こんなのは遊びですき」といさめる竹雄の言葉も耳に入らないほど興奮していた。
東京滞在の最後の日。万太郎には1つ心残りがあった。「最後にもう1度だけ会いたい」という気持ちを抱え、寿恵子を探しに万太郎は再び博覧会会場へと向かうのだった。