12歳になった万太郎(小林優仁)は、学校一番の秀才。造り酒屋の当主としての自覚が足りずに祖母のタキ(松坂慶子)の心配は募るばかりだった。そんな中、武士のための学校、名教館が廃止され、明治の新政府による小学校が開校。初めて女子の入学も認められて、万太郎は姉の綾(高橋真彩)とともに小学校へ通うこととなった。(ネタバレあり)
万太郎が英語で...
しかし万太郎にとって小学校の勉強は初歩過ぎて授業内容に退屈してしまう。その一方興奮しながら「おなごがいる」とすっかりニンマリ顔の寛太(新名基浩)がかわいい。いつも朗らかでふっくらした子は、物語のなか万国共通で登場するが、この寛太は実に空気が和んでよい。頬っぺたがぷりんぷりんで憎めないキャラクターである。
授業が退屈でがまんならない万太郎は、教室の外に出されて、庭の植物観察に夢中になっていると、とうとう先生の説教がはじまった。すると万太郎は、もっと自分の好きな勉強がしたいと英語で訴えはじめたではないか。先生は目をまんまるくして怒るに怒れないほど動揺していたが、ふと寛太を見ると「プププ」と笑いが止まらない。寛太はネットでも注目されている様で「ほくそ笑む寛ちゃんかわええ」「まさかの英語でニヤッてしてるけど、寛ちゃんはちゃんと聞き取れてるのかな?」「すっかり寛太のトリコになってしまった」など反響があった。
それにしても万太郎が英語で先生を論破するとは驚き。確かに英語が話せちゃう小学生が、「いろは」からの復習とは時間の無駄である。「はい、辞めます」って万太郎は笑顔で出て行っちゃったけど、実のところはどうだったのだろうか。
万太郎は勉強ができる秀才なのかもしれないが、どうやら世渡りは寛太のほうがうまそうだ。いままでとは全く違う教室のなかで空気を読むのもはやかった。幼なじみのふたりは、性格が全然違うが、今後も助け合う関係でいてほしい。
万太郎の植物愛がぐんぐんと増して、寛太がかわいいと絶賛したところで、子供時代が終わってしまった。蘭光先生(寺脇康文)との別れの後、今後の再会はどんな場面になるのか。青年時代に入ってから酒造りへのけじめ、お祖母ちゃんや姉、竹雄との関係、学友関係など、展開がますます気になってきた。
(Y・U)