マスク着用が任意となって始まった新学期だが、子どもたちからは戸惑いの声も聞こえてくる。いったいどのように向き合えばいいのか。今日10日(2023年4月)の「ZIP!TOPNEWS解説」では、専門家に詳しい話を聞いた。
文部科学省はマスクについて「着用を求めないことが基本」「登下校の際、混雑した電車・バスは着用を推奨」「グループワークや合唱では、感染対策の上でマスク不要」「給食は大声を出さず、対面距離1メートル程度をとれば黙食は必要なし」といった考え方を示している。
水卜麻美アナ「乗り越えなければ」
番組が広島県・福山市の小学校を取材すると、先生たちはマスクを外している。しかし子どもたちをみると着用している方が多い。
子どもたちはどう考えているのか。東京・錦糸町で取材すると「表情がわかりやすくなったことが増えました」「顔色をうかがえるようになりました」と歓迎の声の一方で、マスク着用なしで1日を過ごした中学1年生は「僕以外全員つけていました」。実際「1年生くらいからずっとつけていたので、人前で外すのが怖い」「またかかっちゃったりしたらやだな」「安心というか慣れちゃった」「まだ外しにくい。みんなに合わせたい」など戸惑いの声も。
ニフティキッズのアンケートでは、マスク着用の判断が個人に任せられたことについて「うれしい/どちらかといえばうれしい」が52%、「いやだ/どちらかといえばいやだ」が48%と賛否は完全に真っ二つ。そして学校でのマスクについてはつけない予定が5%に対し「つける予定」が68%。さらに「周りの様子を見て決める」が27%となっている。
風間俊介(タレント)「『外してもいい』で『外さなきゃいけない』ではない。自由に決めていいんだと伝えたい」
藤井靖さん(スクールカウンセラー・明星大学教授)「子どもたちの中で感染への不安が未だある。習慣になってしまっている。習慣を変えるのが難しくなっている。クラスをみると外している子は1割、2割。仲間はずれになる不安をかかえている。文科省も『マスクつけなくていいよ』と呼びかけているわけではなく、『つけなさいよ』といわなくなったというくらい。どうすればいいのか子どもたちにも戸惑いはある」
親からは「同級生から『マスクをつけろ』と言われた」というものも。 藤井靖さん「つけていない子が現状としてマイノリティになっている。衛生意識が低いんじゃないかというゆがんだ偏見をもってしまうケースがある」
森圭介アナウンサー「つけている理由が『なんとなく』でも、マジョリティとマイノリティにわかれてしまう」
藤井靖さん「みんなと一緒というのは子どもたちにとってはすごく大きい。自分だけが違うことをしたくないというのは小学校で特に多い」 どう対応すればいいのか。
藤井靖さん「マスクについて、まず親子間で話し合ってほしい。『最近学校でマスクどうなの』とか意識的に話せる人がいない。『学校の指示に従いなさい』という親御さん多いと思うが、実際に聞いてみると『取りたいと思ってるけど』『つけてない子が気になって』という話が上がってきたりする。日頃の雑談でもいいので3分くらい時間を作っていただいて聞いていただけるといいかな」
司会の水卜麻美アナ「これからずっとマスクを付け続けることはないと思うと、乗り越えなければいけない」
藤井靖さん「マスクのデメリットも出ている。感情を読み取る正解率、論理的思考力が下がるいう研究結果も出ている。取りたいと思う人は取ったほうがいいが、時間をかけて外したりつけたり試していくのは大事」
(みっちゃん)