<1年前のワイドショー>昨(2022)年の今ごろは、日本ではコロナの第6波(22年1月1日~3月31日=厚労省)が下火になった時期でした。しかし、中国では上海市の感染者が激増し、市はとうとう3月31日から市全域のロックダウン(都市封鎖)に踏み切りました。人口2500万という中国最大の経済都市の封鎖は、世界経済に与える影響も大きく、各局ワイドショーは現地在住の特派員を動員して現状を報告しました。
「なぜ封鎖されるのか?」などと大騒ぎに
(J-CAST)ワイドショー通信簿の「ロックダウン上海で『餓死したくない!』(略)」(2022年4月8日、テレビ朝日系「モーニングショー」)は、上海市の高層マンション街で「ご飯を食べた~い!」「物資が欲しーい!」と住民たちが叫ぶ様子を取り上げています。配給が届かないことに抗議する集会が開かれ、警察と衝突して「餓死したくない!」「なぜ封鎖されるのか?」などと大騒ぎになっていたのです。
テレビ朝日の高橋大作・上海支局長は自宅マンションから中継し、通勤時間帯にもかかわらず街はガラガラ、道路を通るのは警察車両だけという窓からの映像を紹介しました。外出できないため冷蔵庫の中はスカスカ。「日本から送られてきた味噌と、肉はサラミが少し残っているだけ。1度配給があり、野菜だけ5キロ、玉ねぎやニンジンが届きました。封鎖が続くんだろうなと覚悟するだけです」と報告していました。
モーニングショーの続報「ロックダウン上海の厳しい食料事情(略)」(同11日)は、高橋支局長が「サラミが唯一の肉だったのですが、食べてしまいました」とその後を紹介。配給された野菜以外、残されたたんぱく源は味噌だけになったとあります。
市の発表では、14日間感染者が出ない地区は近隣への外出が可能になるとのことでしたが、支局長の住む地区は連日過去最多の感染者が確認され、解除まで数週間以上かかる見通しだ、とあります。
山口真由さん(ニューヨーク州弁護士)は「これは世界経済にとってのリスクです。中国のサプライチェーンが滞ってしまうと、ただでさえインフレ傾向があるところに拍車をかける。ゼロコロナからうまく脱していくことが世界にとって大きな課題」とコメントしていました。
上海市は6月1日、2カ月ぶりにロックダウンを解除しましたが、国内でのゼロコロナ政策はなお続きました。国民の不満は限界に達し、北京など各地で抗議行動が相次ぎました。とうとう12月7日、中国政府はゼロコロナ政策を放棄し、段階的に行動制限を撤廃しています。経済立て直しを最優先した結果でしょう。
世界への影響を考えると、今後も中国のコロナ政策に注視が必要です。
(コムギ)