時代は明治となり、万太郎(森優理斗)は9歳。槙野家の当主としてしっかり挨拶もできるようになり、祖母・タキ(松坂慶子)や働き手たちから期待されるまで成長していた。
万太郎は町人でありながら、武家の子弟が通う学問所「名教館」に通学することが許可されるが乗り気ではない。学問所よりも草花に興味があったからだ。
どうなる学問所通い
初日、タキに連れられて嫌々「名教館」に行った万太郎は、教室の雰囲気にもなじむことができず、武家の子どもたちからいじめを受けてしまう。
泣きべそをかきながら帰ろうとすると、門のところにいたモサモサ頭の見知らぬ男から話しかけられる。
「今こそ変わる時だ」という男の言葉は万太郎の心を捉えるが、しきたりを重んじるタキの「変わってはいけない」という言葉も同時に頭に浮かんできて疑問が広がる。
一方、酒造りに強い関心を抱いている姉の綾(太田結乃)は、こっそりと当主だけが見ることを許されている帳簿を手にとる。そして読んでいるところを、タキに見つかってしまう。
翌日、竹雄(井上涼太)を伴って「名教館」に向かった万太郎。門前で竹雄を帰らせると、教室の中に入ろうとするが、いじめを受けたことを思い出し躊躇してしまう。
中庭にあった草花に万太郎が話しかけていると、モサモサ頭の男がまた現れ、植物に関する知識を披露する。実はこの男、「名教館」学頭の池田蘭光(寺脇康文)だった。蘭光の話に引き込まれた万太郎は、学ぶことの楽しさを初めて知る。
そして3年の月日がたち、万太郎(小林優仁)は12歳。学力は申し分なかったが、家業に全く興味を示さないのが、タキの頭痛のタネだった。
そんな中、新政府は小学校制度を開始。佐川村にも小学校が開校することになり、「名教館」は廃止されることに。蘭光も土佐を離れることになる。
蘭光との別れを泣いて悲しむ万太郎を見て、蘭光は仁淀川で最後の課外授業を行うことにする。万太郎と学友の広瀬佑一郎(岩田琉生)も一緒だ。
小学校制度では女子の入学も認められることになり、綾(高橋真彩)とともに小学校に通い始めた万太郎。しかし、そこでの授業は万太郎にとって退屈極まりないものだった。
授業に集中せず、植物画の模写をする万太郎を担任教師は激しく叱責。万太郎は小学校をやめる決断をするのだった。