「ムツゴロウ」の愛称で親しまれた作家の畑正憲さんがおととい5日(2023年4月)、心筋梗塞のため87歳で亡くなった。動物との触れ合いを描いたテレビ番組で知られ、ライオンなどの猛獣を抱っこして、「よーしよしよし」と言いながら顔をすり寄せるスキンシップがトレードマークだった。7日の「モーニングショー」が番組冒頭で取り上げた。
畑さんは東大で動物学や運動生理学を学んだあと、学習映画の製作に携わり、作家活動を本格化させた。1971年に北海道に移住し、翌年「ムツゴロウ動物王国」を設立。「ムツゴロウとゆかいな仲間たち」などのテレビ番組が大ヒットした。
「よーしよしよし」に込められた意味は?
動物と触れ合う際、顔をこすりあわせたり舐めあったりする独特のスキンシップについて、「顔というのは神経が一番通っているところ。こうやって(スキンシップして)いれば、神経細胞に全部行きわたっているわけです。だから喜ぶでしょ」「僕は犬とつきあうときは犬になりたい。象とつきあうときは象になりたい」などと話していた。
ライオンに指先を食いちぎられたこともあったのだが、このときのことを2003年の『徹子の部屋』でこう語っていた。
畑「ライオンの檻の前で『最近遊んでもらってるかい?』と聞いたら、(ライオンが)『遊んでもらってない』って言うんですよ。檻にかけていた指がぐっと中に入ってしまって、噛まれてしまった。でも、このくらいは私にとっては蚊に刺されたぐらいものかもしれませんね」
畑さんの「よーしよしよし」に込められた意味について、動物研究家のパンク町田氏は「緊張をほぐすための極意」、体感型動物園iZooの白輪剛史園長は「過剰にも見えるが、あそこまでやることで動物と本気で向き合いなさいということを伝えようとしたのでは」と振り返った。
MCの羽鳥慎一「私たちの世代にとっては、夜のゴールデン時間帯にムツゴロウさんの番組をしょっちゅうやっていて、すごく親しみがあります。(動物との触れ合いは)ムツゴロウさん以外の人がやったら危ないようなこともありましたね」
長嶋一茂(元プロ野球選手)「今も動物番組は色々ありますが、この方が先駆けでしたね。動物と人間との距離感をすごく縮めた人だと思います」
(キャンディ)