岸田文雄首相は日本時間のきのう21日(2023年3月)夜、ロシアが侵攻中のウクライナを電撃訪問した。外遊中のインドから、同行記者団らにも事前には知らせずに果たした極秘訪問の舞台裏を、22日の「めざまし8」が伝えた。
岸田首相は日本時間の20日からインドを訪問していたが、帰国のための政府専用機ではなく、極秘に手配していた民間チャーター機に乗り、ポーランドへ。その後、列車でウクライナに入った。
谷原章介「今後、どういう支援策を...」
インドに取り残された形の記者団が「首相はいるのかいないのか」「所在がわからないというのは困る」などと詰め寄ったのに対し、外務省担当者も「今この時点では私も何が起きているのかは、よくわからないというのが率直なところです」と困惑していた。
ウクライナに到着した岸田首相は、ロシア軍による大量虐殺のあったブチャを訪れ、花を手向けた。ゼレンスキー大統領との共同記者会見では「日本のゆるぎない連帯をお伝えしたいと強く願っていました」「日本ならではの形で、切れ目なくウクライナを支援する。平和が戻るまで共に歩んでいく」などと述べた。
岸田首相が極秘訪問を強行した背景には、ことし5月に広島で行われるG7サミットを前に、G7首脳でウクライナを訪問していなかったのが岸田首相だけという状況があった。「岸田首相は、G7前にどうしても訪問したいと周辺に話していたそうです」と西岡孝洋アナウンサーが伝えた。
政治ジャーナリストの田﨑史郎氏によると、岸田首相は昨2022年も2回、ウクライナ訪問のタイミングを探っていたが、情報が洩れるなどして断念した。「日本からウクライナへ行くとすぐばれてしまう。でも外遊中ならマスコミの監視の目が弱くなるというメリットがある。今、世界の最大の課題はウクライナ問題。岸田さんだけウクライナへ行っていないということでは議論をリードすることができないと考えたと思います」と解説した。
フジテレビの山岸直人・パリ支局長はキーウから生中継で出演し、「首相が特別列車で到着した駅の周辺は直前まで緊張感もなく、本当に来るのかと不安になるほどでしたが、列車が到着するとすばやく車に乗せ、瞬く間に去っていきました。ウクライナだからこその手慣れた、無駄のない警備でした」と到着時の様子を伝えた。また、共同記者会見を終えた後の岸田首相について「サミット前のウクライナ訪問がようやく実現した達成感があるように感じました」と話していた。
風間晋(フジテレビ解説委員)「紛争地域に首相が行って、相手国の大統領と姿を見せるということが、最大の『寄り添う姿』だったのだと思います」
若狭勝(弁護士)「G7で岸田さんだけがウクライナに入ったことがないということになれば、それだけで信用性がなくなる。パフォーマンスという言葉は適切ではないかもしれませんが、そこがひとつの大きな目的だったような気がします」
MCの谷原章介「今後、岸田首相がどういう支援策を出していくか、注目していきましょう」
(キャンディ)