NHKの朝ドラ「舞いあがれ!」3月16日放送回。五島の祥子(高畑淳子)が脳梗塞で倒れ、めぐみ(永作博美)は、祥子ばんばを東大阪の岩倉家に連れて帰ることを考えはじめていた。並行してIWAKURAの社長を退くことも視野に入れていた。(ネタバレあり)
その後、ばんばが退院。家に帰った祥子ばんばを待っていたのは、五島でひとり生きていくのは難しいという現実だった。
退院したが「できないこと」尽くしで...
船にも乗れない、畑仕事もできない。「できないこと」尽くしで、そんな自分と対峙するのは、今まで気丈で元気だったばんばだけに辛い。舞(福原遥)がむいてあげたミカンをばんばがテーブルに置いて2人で話し始める場面。
自分のことが自分ひとりではできないと嘆くばんばに、舞が子どもの頃に「できることを探せばいい」と教えてもらい、どれほど勇気づけられたかを話す。当時のシーンがインサートされて懐かしい。時を経て、今度は舞がばんばにその言葉を添える。「例え手足が動かなくても、ばんばにしかできないことがいっぱいある」と。
器用ではない舞の心の支えはまさにこの精神。このドラマの礎のひとつだったと改めて感じる場面であった。「ばんばの教えを胸に、自分の役割を拡げてきた舞が、その言葉をばんばに返す流れに涙」「ばんばの仕事が失われてしまうんじゃなく、できることを見つける流れで良かった」などの反応がネット上で見受けられた。
それでもできないことが増えてくる現実に変わりはない。そんなばんばの残りの人生にめぐみさんが伴走してくれることに。五島に帰りたくなったら、一緒に帰るという選択は、どれほどばんばを勇気づけたであろうか。大阪で自分のできることを探してみようって思えたんじゃないだろうか。
(Y・U)