遠い昔の忘れ物を... 「しょうもない僕らの恋愛論」は大人の青春ドラマ

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   木曜ドラマ「しょうもない僕らの恋愛論」(読売テレビ、日本テレビ系)。主人公・筒見拓郎は40代独身の書籍デザイナー。最近はデザインよりも後輩の育成を任されることが多く、自分はデザイナーとしてもう求められていないのかと葛藤の日々を過ごす。演じるのは眞島秀和。こういう優柔不断な役が本当によく似合う。

  • 読売テレビの「しょうもない僕らの恋愛論」番組サイトより
    読売テレビの「しょうもない僕らの恋愛論」番組サイトより
  • 読売テレビの「しょうもない僕らの恋愛論」番組サイトより

一見冴えないが...

   ある日、彼の元へ20年前、学生時代に好きだった女性からFacebookの友達申請が届くが、承認しようかどうしようか。なぜ今頃、彼女から連絡がきたのか、ウジウジウジウジと悩む。ようやく承認して会う約束をするが、待ち合わせ場所に行くとそこに居たのは、彼女にそっくりの娘で、母親は亡くなっていたことを知る......。

   母の愛した男性に興味を持つ女子高生・くるみ(中田青渚)と、高校時代から拓郎に想いを寄せる女友達・絵里(矢田亜希子)。一見冴えない拓郎だがなぜだかモテる。絵里など、大手家電メーカーの美容機器部門課長で仕事もバリバリこなしているのに、20年間ずっと拓郎に片思いをしているという謎。そんな絵里の想いに気づかず、ついには絵里から告白し、そこから同棲までの早かったこと。前回(3月9日、2023年)は、拓郎が独立を決めるが、そのことを真っ先に言わなくてはいけなかったはずの絵里に言わなかったことで、絵里は家を飛び出す。物語もいよいよクライマックスに......。

   原作は原秀則のコミック。「冬物語」や「部屋においでよ」「レガッタ~君といた永遠~」「ほしのふるまち」が映画やドラマ化される人気漫画家だ。多くの恋愛ドラマの漫画原作は女性が描いたものが多いなかで、男性作家が描く恋愛ドラマはひと味違う。

   学生時代に好きだった人にそっくりな娘が現れて、その娘が自分に興味を持ってくれるというのはどこか男の理想、いや妄想にも思えるが、それも含めて微笑ましい。男だって胸キュンしたい。「しょうもない僕らの恋愛論」というタイトルの「しょうもない」は男の照れ、自虐が入っていると思われる。人生のなかで、誰もがひとつふたつ、やり残したことがある。そんな遠い昔の忘れ物を取り戻そうとしている拓郎を応援したくなる。拓郎と同世代、40代以上の男性にも楽しめる大人の青春ドラマだ。

(子守熊)

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