<1年前のワイドショー>ウクライナ侵攻の翌月 飛び交っていた「情報戦」を振り返る

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   <1年前のワイドショー>昨(2022)年2月24日に始まったロシアのウクライナ侵攻は、3月に入って激しさを増しました。チェルノブイリ原発がロシア軍に制圧され、放射能漏れの危機が叫ばれました。プーチン大統領が戦術核を使用するのでは、との憶測が広がり、逆にロシアは「米国が細菌兵器に関与している」と主張。ワイドショーは、「ニセ情報」も含めた「情報戦」の様相をも伝えていました。

   (J-CAST)ワイドショー通信簿の「チェルノブイリ原発の電力供給停止 専門家解説(略)」(22年3月10日、日テレ系「スッキリ」)は、チェルノブイリ原発の運営会社が、ロシア軍の占拠により「使用済み核燃料を冷却できず、放射性物質が放出される恐れがある」と発表したと伝えています。ウクライナ外相もSNSで「プーチンの野蛮な戦争がヨーロッパ全体を危険にさらす」と国際社会に訴えていました。

  • ウクライナでの戦闘は今も続いている
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ロシアの戦術核使用の可能性めぐる見方

   しかし、原子炉工学が専門の奈良林直・東京工大特任教授は、事故から36年たち、1~3号機も停止後22年がたっているので、大事に至らないとの見方でした。またIAEA(国際原子力機関)も「電力が供給されなくても、使用済み核燃料を冷やすための十分な冷却水がある」とコメントしたとあります。

   「プーチンの戦術核使用に現実味(略)」(同10日、テレビ朝日系「モーニングショー」)は、核使用について「脅しではない」との見方が欧米で強くあり、「プーチンは手段を選ばなくなっており、戦術核を使う可能性を懸念する」とのCIA長官の談話を伝えています。こうした空気感は広がり、米国の世論調査では「プーチンが核兵器を使用する用意があると思うか」の問いに、60%が「そう思う」と答えていたそうです。

   「隣国空爆、生物化学兵器...激化する情報戦(略)」(同14日、TBS系「THE TIME,」)には、ウクライナ軍が、ベラルーシ内の村を空爆したのはロシアだと主張し、「ウクライナの攻撃と偽装し、ベラルーシを戦闘に巻き込むための挑発だ」とあります。

   また、ロシアの要請で開かれた国連安保理の緊急会合では、ロシア大使が「ウクライナのペストや炭疽菌などの実験施設に米国防総省が関与している」と主張。米の国連大使は「ニセ情報を拡散するために安保理を利用した」と非難したと伝えています。米国防総省高官は「ウソの情報を口実に、(細菌兵器を)使用する可能性がある」と警戒感を示した、とあります。

   しかし米国も、2003年のイラク戦争では、開戦の大義となったイラクの大量破壊兵器について「CIAの情報の多くが誤りだった」と認めた過去があります。

   なにが真実か、見極めるのは容易ではありません。だれがどんな目的で情報を流しているのか注意を払いつつ、様々な意見を聞くことも必要なのだと感じます。

(コムギ)

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