放送法「解釈文書」と「放送の自由」 「官邸の圧力が問題だ」(浜田敬子)

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   放送番組の政治的公平をどう扱うかをめぐって、安倍政権当時の首相官邸が法律解釈に圧力をかけようとした疑惑が、さらに大きく展開してきた。「新たな解釈が加えられた経緯が焦点となっています」と、8日(2023年3月)のモーニングショーで司会の羽鳥慎一が伝えた。立憲民主党が入手・公表した行政文書には信じられないほど荒っぽい言葉が使われていた。

  • 総務省の「文書」に注目が集まっている
    総務省の「文書」に注目が集まっている
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「高市発言にフォーカスしがちだが...」

   問題は、放送法4条の「政治的公平」について。従来の政府見解は「一つの番組ではなく、放送局の番組全体で判断する」だった。それを2014年、安倍政権当時の礒崎陽輔首相補佐官が「偏っている場合」は一つの特定番組でも判断できると主張し、新解釈を総務省に求めた。

   翌2015年には、官邸に説明に来た総務省局長に、礒﨑補佐官は「局長ごときが言う問題ではない。俺の顔をつぶすようなことになれば、ただじゃあすまないぞ。首が飛ぶぞ」と脅し文句を並べたという。なんだか暴力映画もどき。礒﨑氏はきのう「不適切な言葉を使ってしまったかもしれない」と取材に答えた。

   この文書78枚を、松本剛明総務大臣がきのう、内容については精査中としながら総務省が作成した行政文書と認めた。これにはもう一つの問題が、おまけのようについてきた。

   文書の中に当時の高市早苗総務大臣(現・経済安保担当大臣)と総務官僚との「民放相手に抗戦するか」などのやり取りを記した部分4枚があった。それを高市氏が先週「ねつ造文書だ」と言い切ったのだ。

   立憲民主党から「ねつ造でなければ大臣・議員を辞職するか」と問われると、高市氏は「結構ですよ。完全に正確であると相手さまも立証しなければならないのでは」と猛反発し、これも物議を呼ぶ情勢だ。

   浜田敬子(元AERA編集長)「高市発言にフォーカスしがちだが、官邸のゴリ押し。総理と一補佐官で決めていい(問題な)のか、官邸の圧力が問題だ。ここ数年、テレビの人たちがピリピリしているのを感じ、過剰反応ではないかと思っていた」

   安部敏樹(事業家)「当時総務大臣だった高市さんには監督責任があるのに、それをねつ造というのはどうなんですか? 官邸の行動は非常に不適切で、表現の自由に挑戦的と思う。一方で、メディア側は過度に委縮していないか。臆して番組をしないとか、時間を短くするとかでは話が変わってくる。メディアとしての気概をもってほしい」

   たしかに、一大臣・議員の首どころか、言論と表現の自由にかかわる大問題になってきたぞ。

(あっちゃん)

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