WBC(ワールド・ベースボール・クラシック)の初戦・中国戦が9日(2023年3月)に迫るなか、大リーグエンジェルスの大谷翔平選手(28)が3日帰国、「侍ジャパン」に合流した。ダルビッシュ有投手とボールの「握り」の意見交換をする姿に、米国のSNSでは「オオタニがダルビッシュの握りを覚えたら、おしまいだ」との声も飛んだ。6日の「めざまし8」がその「驚異の肉体」造りを分析した。
日本チームに合流した大谷は、「今出せる100%を試合の中で出せるというのが、チームにとって一番大事なこと」と意気込みを語った。4日の練習では、160メートル(推定)の特大弾をかっ飛ばした。背後では、昨年56号本塁打の日本新記録をうち立てた村上宗隆選手(23)らメンバーが見つめた。壮行試合中には、大谷選手のとなりに村上選手が座り、質問攻め。村上選手は「(バッティングを)初めて見たんですけれど、すごかったですね。言葉が出ないというか」。身長193センチ、95キロで「先入観は可能を不可能にする」が座右の銘。前回17年のWBCは右足首の故障を理由に辞退したため、今回は初めての参戦だ。
谷原章介「バッターとしての筋肉が...」
注目されるのが大谷の「鍛え抜かれた驚異のカラダ」。昨日の大阪市内の練習では、Tシャツ姿のキャッチボールが見られたが、とりわけ腕の太さに注目が集まった。
三角筋と上腕三頭筋、大胸筋下部など、「球速をUPするため、腕を振る筋肉がとくに鍛えられている」。さらに胴回りの「腹斜筋(脇腹の筋肉)」も。投球やスイングの時に「芯がぶれずに力が伝わる」とされる。足腰も約220キロのデッドリフトを持ち上げて鍛えている。
MCの谷原章介「バッターとしての筋肉が投手としての筋肉の邪魔にならないんですか」
野球解説者の工藤公康・元監督「彼の場合は、そうならないように考えたトレーニングをしている。ただ、筋肉をつければいいという考えでやっているわけではない」
身体づくりの秘訣は睡眠と「目標達成シート」。
トレーニングの合間に昼寝をするうえ、バスや飛行機でもとにかく寝ている時間が多い。特注の枕にもこだわりが。さらに高校時代から「目標達成シート」を作ったことが、高校入学時の細い体の線・60キロ台の体重をここまで鍛え上げた。8球団のドラフト1位になるために、体力づくり、メンタル、コントロール、人間性など。体力づくりのためには、スタミナ、柔軟性、身体のケアなど。メンタルには、一喜一憂しない、ピンチに強いなど。
工藤元監督は、「(日本にいた時代は)一番いやな選手だった。長打を避けるなら四球で歩かせればいいが、足があるからそうもいかない。一番で出てくると一番いやでした」。
WBC本番は、9日から中国、韓国、チェコ、オーストラリアの4連戦。16日に準々決勝の後で、米国マイアミに移り21、22日に準決勝・決勝となる。工藤元監督は、「大谷は中国戦では打者だと思う。ダルビッシュが韓国戦と準々決勝で投げるという計算で行けば、大谷は後ろの方で。最初から投げるなら準決勝・決勝かな」
(栄)