<1年前のワイドショー>ロシアのウクライナ侵攻により、スポーツの世界でもロシアの排除が広がりました。昨(2022)年3月4日に開幕した北京パラリンピックは、ロシアとベラルーシ選手団は個人の資格でも出場が認められませんでした。
(J-CAST)ワイドショー通信簿の「パラ開幕前の短期決着のつもりだった?」(2022年3月4日、テレビ朝日系「モーニングショー」)には、個人資格の「中立」で参加させるとしていた国際パラリンピック委員会(IPC)が、一転して出場を認めないとしたことを取り上げています。各国から参加辞退の動きがあり大会が開けなくなる可能性が出てきたため、とあります。
ウクライナ選手メダリストの訴え
また、開催国の中国がプーチン大統領に五輪閉幕まで侵攻しないよう求めていたといいう「ニューヨークタイムズ」の記事も紹介しています。侵攻は、五輪閉幕の2月20日の4日後から始まり、短期決戦のつもりだったという指摘もある、といいます。
日本選手団はしかし、大会のために準備してきました。「(略)パラアルペンスキー村岡桃佳選手の強みとは」(3月4日、日テレ系「スッキリ」)は、主将の村岡桃佳選手(25=当時)を取り上げました。4歳の時、横断性脊髄炎という病気で車いす生活になりましたが、父の秀樹さんも車いすに乗って様々なスポーツを体験させてくれたといいます。
その中で「一番はまった」のが競技スキーで、17歳の時にソチ大会でパラデビュー。平昌大会(2018年)では金メダルを含む5個のメダルを獲得しています。北京では滑降、スーパー大回転など全5種目に出場。スピードを落とさず曲がるカービングターンの精度の高さは、世界トップレベルだと紹介しています。
ウクライナの選手団の意識はどうだったのか。「パラIPC会長『平和』演説を中国、翻訳せず」(同7日、「スッキリ」)は、開幕初日の4日、ウクライナ勢が金3銀3銅1の計7つのメダルを獲得し、インタビューではそれぞれが反戦を訴えたとあります。
バイアスロン男子で金のボブチンスキー選手は「ウクライナで死んでいく子供たちを見ました。私の金メダル? 私の国にプレゼントする」「寝ても覚めても戦争のことが頭から離れません。競技中も戦争について考えていました」。
バイアスロン女子の視覚障害で金のシシュコバ選手は「戦争を止めてください。誰にも私たちの国の人を殺させないでください。ウクライナに平和と栄光を」。
来(2024)年のパリ五輪では、IOCは中立的な立場でのロシア選手の参加を認める方針を示しています。欧米を中心に国際社会の反発は必至で、政治的中立という理想はすでに崩れつつあるようです。
(コムギ)