AIが人間のように質問に答えてくれる「チャットGPT」。きょう28日(2023年2月)のモーニングショーは、先週の特集が大反響だったそうで、その第2弾として、AIの「衝撃の創造性」について約45分に渡って深掘りした。
「チャットGPTは小説を執筆するなど、人間の創造性にも進出してきています」と司会の羽鳥慎一が切りだした。
1分で完成
いま、AIで書かれた本がネット上で次々と売り出されているという。通販サイトAmazonでは、著者がチャットGPTか、あるいは共著と記載されている電子書籍が、200冊以上あるという。多くの著者はチャットGPTを利用したと開示していないため、実態を正確に把握するのが困難ともいわれている。
人工知能を研究している慶応大学の栗原聡教授は「相当数あると思う。現状は作家の著作よりレベルは低いだろうと思うが、問題はそういったものがいっぱい出てくることで、本来売れるべきものが売れなくなる弊害が出ている」と話す。
羽鳥パネルでは、あるセールスマンが数時間で30ページの児童書を電子書籍として発売したというロイター通信の情報が紹介された。チャットGPTに、金融に関する知識や判断力を教える物語を書くよう指示したところ、主人公のリスが森の仲間から学び、どんぐり事業に投資し成功する物語が出来上がったという。
番組がチャットGPTに、カレーの作り方を恋愛小説風につくれと指示したところ、「私は彼に微笑みかけ、スパイスを加えながら説明した......私たちの愛は深まった」などと、朝から歯の浮くような文を紹介、それが1分でできあがったというのだ。
羽鳥が読み上げるのを聞きながら菊間千乃(弁護士)「(カレーは)できてないですね」と苦笑い。しかし、今村翔吾(直木賞作家)は「地の文は、いろんな作家のデータが入っているだけあってうまいですね」と評価していた。
栗原教授は「人と何が違うかというと、AIは意思を持っていない。言われたら答えるだけ。ただ、いまはないが、どんどん進んでいって自ら考える力がついてきて、人間の創造性を理解したときに同じようなものを出してくる可能性はゼロではない」
いま米国では、学生の89%が宿題でチャットGPTを使っていると問題になっているという。ニューヨークやロサンゼルスでは公立学校でのチャットGPT利用を禁止しているが、日本の大学関係者は「AIを使うなということはインターネットを使うなと同じこと。使うことを前提に新しい入試問題を考えなければならない」という考えだ。
その後も、人間の「意思」や「自己」といった哲学的な問題も含めて議論が続いたが、羽鳥は「まだまだダメな部分はあるが、確実に進化していく。淘汰されるのではなく、いい関係になっていくのかなあ」とまとめていた。
(コムギ)