福島県の南相馬市で26日(2023年2月)午後3時過ぎ、高齢夫婦の自宅に男数人が押し入り、夫婦にけがをさせたうえ、現金約10万円などを奪った。27日に東京で逮捕されたのは、東京都多摩市の自称とび職の男(20)だった。「闇バイト」の犯行を思わせるような広域事件の背景を、28日の「めざまし8」が探った。
27日夜8時過ぎ、南相馬市で、防災アナウンスが流れた。「南相馬市からお知らせします。強盗致傷事件に関し1名が逮捕されました」
「郊外であること、被害者が高齢である...」
逮捕された瓜田翔容疑者(20)は、仲間と共謀、星邦康さん(77)の自宅に押し入り、頭を殴り、現金などを奪った疑い。
なぜ星さんの家が狙われたのか?
10年ほど前まで畜産業を営んでいたという星さんの自宅は、立派な門構えの邸宅だ。近くの住民は、「なかなか商売がうまい人だから、それなりに儲けて家を大きくしたんだね」。資産を持った高齢者と、見られたのか?
元埼玉県警捜査一課の佐々木成三氏は、「郊外であること、被害者が高齢である、容疑者がレンタカーを借りていることを見ると、『闇バイト』に関連する強盗事件に酷似しているなと感じますね」
警察は、犯行に使用された車を特定して手配。都内で瓜田容疑者を発見した。身元の特定につながりやすいレンタカーを使用している点などが、東京・狛江市で高齢女性が殺害された強盗殺人事件と共通している。
コメンテーターの立岩陽一郎・元NHK記者は、「関連があると恐ろしい。なければもっと恐ろしい。こういう事件がまん延していくのは怖い」「日本の警察は『自治体警察』で、(各地で起きる事件で)情報が錯綜している。そろそろ日本も米国のような『日本版FBI』をつくる、つまりこうした広域の強盗事件で、全国を対象に、あるいは世界とも連携をとれるような組織を、考える時期に来ていると思う」
(栄)