漫画家の松本零士さんが、急性心不全のため都内病院で先週13日(2023年2月)に亡くなっていたことがわかりました。85歳でした。今週(2月20日~)のワイドショーは、松本さんの死を悼みつつ、これまでの功績や作品誕生の秘話などを取り上げていました。
松本さんは「宇宙戦艦ヤマト」「銀河鉄道999」で知られ、昭和のアニメブームを牽引してきました。(J-CAST)ワイドショー通信簿の「安住アナが語った『銀河鉄道999』の思い出 松本零士さんを追悼」(21日、TBS系「THE TIME,」)は、番組が久しぶりに銀河鉄道999のテーマ曲(筆者注:22年9月まで流れていたオープニングのピアノ曲)でスタートしたとあり、さまざまなエピソードが紹介されていました。
作品の根底には「幼少期の戦争体験」
松本さんは6歳頃から絵を描き始め、15歳で漫画雑誌に投稿し、掲載された作品でデビューしました。作品の根底には「幼少期の戦争体験」があったといい、2019年に「人は志を持って生まれてきたのに、それを果たせず終わっていく悲しみ。それを描きたかった」と語っていたそうです。
司会の安住紳一郎さんは「999の意味は1000に一つ足りない、大人になる前の青春の輝きをいつまでも大事にしたい、そういう意味が込められているそうです」と語っていました。
「メーテルのモデルは誰? 松本零士さん追悼で『秘話』再紹介」(21日、フジテレビ系「めざまし8」)は、松本さんが生前、テレビインタビューで明かした「メーテルの誕生秘話」を取り上げています。
松本さんは「私が中学3年生の時ですか。女王様の絵をかいていたら、お前は女が下手だ、と言われて、八千草(薫)さん=2019年死去=の顔を自分好みにちょっと影を書き加えたり、変えてみたんです」と語り、八千草さんについては「メーテルをはじめとするあらゆる自分の描く女性の顔の基本を成し遂げて下さった、ありがたい大切なお方なんです」「八千草さんにお電話したら、好きにやってかまわない!そうなの?なんて言って、喜んでいただけましてね」などと語っていたそうです。
2018年(当時80歳)のインタビューでは「100年以上、なんとかやりたいと思いましてね、物語がまだ3分の2ぐらいにしか進んでいないわけ。それを100%、99%描いたら終わってもいい。まだやめたくないです」とも。
松本さんが好きだった言葉は、「遠く時の輪の接する処でまた巡り会える」。そして、ペンネームの「零士」は「零=終わりのない」「士=武士」~「終わりなきサムライ」という意味だそうです。
昭和の巨匠がまた一人、遠く終わりのない『銀河』へと旅立っていきました。
(コムギ)