「宇宙戦艦ヤマト」「銀河鉄道999」で知られる漫画家の松本零士さん(85)が13日(2023年2月)に急性心不全で亡くなっていた、ことがわかった。「ヒロインのメーテルのモデルはだれだった?」。21日の「めざまし8」は、松本さんが生前に明かした秘話を放送した。
松本さんは生前、フジテレビの取材に、「メーテルの誕生秘話」を明かしていた。
谷原章介「物語は夢とロマンにあふれていて」
「私が中学3年生の時ですか。女王様の絵をかいていたら、お前は女が下手だ、と言われて、八千草(薫)さん=2019年死去=の顔を自分好みにちょっと影を書き加えたり、変えてみたんですね」「メーテルをはじめとするあらゆる自分の描く女性の顔の基本を、成し遂げて下さった、ありがたい大切なお方なんです」。
中学時代に手に入れたとされる、八千草さんのブロマイドには、陰影が書き込まれていた。「メーテルをはじめ、あらゆる自分の描く女性の顔の基本を成し遂げてくださった、ありがたい大切なお方なんです」「八千草さんにお電話したら、好きにやってかまわない!そうなの?なんて言って、喜んでいただけましてね」「まさかご本人とお話しできるとは、夢にも思っていませんでしたのでね」「生涯の中でそういう記憶がとてもうれしいです」。2019年10月放送の「ノンストップ!」で語っていた。
八千草さんとメーテルに共通しているのは、やさしさと物憂げな空気感だろう。八千草さん自身も、モデルとされることを認めていたという。
2018年のインタビュー(当時80歳)では、「100年以上、なんとかやりたいと思いましてね、まだまだ作りたいものもたくさんあるわけですよ。物語がまだ3分の2ぐらいにしか進んでいないわけ。それを100%、99%描いたら終わってもいい。まだやめたくないです」。
松本さんの作品が人々を熱狂させたのはなぜか?漫画家仲間の一本木蛮さんは、「目がいいんですよ。すごくきれいで。ここのクリアな感じの目が。迷いのある線であったりとか、ざざっとやった時に出るにじみであったりとかっていうのに、みずみずしさが出る」
松本さんが好きだった言葉は、「遠く時の輪の接する処でまた巡り会える」。銀河鉄道999アンドロメダ編の終盤。主人公・鉄郎とメーテルの別れ際に、メーテルは言う。「遠く時の輪の接する処で、まためぐりあいましょう」
松本さんは9歳から高校卒業まで北九州市で過ごした。父が見せてくれた海外アニメ・映画に影響を受けて漫画家を志し、15歳の高校1年生で商業誌にデビューした。「零士」は「零=終わりのない」「士=武士」~「終わりなきサムライ」の意味だという。
MCの谷原章介「宇宙戦艦ヤマトもみな、夢中になってみていて、無限の宇宙で繰り広げられる物語は夢とロマンにあふれていて。でも、どこか陰があって、(見ている自分は)幼いながら、なにか松本零士さんは訴えたいものがあるんだ。メーテルの言葉は自分に投げかけられているような、そんな感じがしていました」
(栄)