1000万円を超える高級車が相次いで盗まれる事件の背景に、「AirTag」の存在が浮かび上がってきた。21日(2023年2月)の「めざまし8」が特集した。
滋賀県大津市で、5年前に約1300万円で買ったレクサスLXを盗まれた男性宅の防犯カメラが、犯行を捕えていた。19日午前2時ころ。帽子をかぶった黒い服装の見知らぬ男が車の運転席に乗り込んだ。その後、車は盗まれた。
こうした高級車の窃盗が相次いでいる。どうやって狙いを定めているのか?
大津市の事件では、犯行の一カ月前に、やはり防犯カメラが怪しい映像を捕えていた。
携帯にAirTagの反応が...
1月13日午前1時ころ。男が運転席の後ろあたりにしゃがみこんで何かをしていた。被害にあった男性は「自分らでつけたAirTagのあたりを見ていたので、この車両かどうかを確認しに来ていたんだと思います」。
「AirTag」とは。直径3センチほどで、離れていてもスマホなどで位置を把握できる。カギや財布などに取り付け、紛失防止用の機器として人気がある。これを、何者かが勝手に車に取り付けていた、というのだ。被害者は「1月の年明けに、空港の集合駐車場に止めた。帰って、そこから出発する時に、携帯にAirTagの反応が出ました」。自分のiPhoneに「AirTagがあなたの近くで見つかりました」という通知が来ていた。「(自分の車の)底を見ると、運転席の後ろのタイヤのあたりの金属の部分についてました」。すぐにはずして警察に相談したという。警察も警備を強化していたという。
AirTagには、ストーカー行為防止機能もついており、他人のAirTagが自分のiPhoneとしばらく一緒に移動していることを検知すると、そのiPhoneに「近くにAirTagがある」と通知する仕組みになっている。しかし、結果として、車は盗まれた。
防犯アドバイザーの京師美佳さんは、「空港は高級車を狙うにはうってつけの場所だと思います」。羽田空港で5日間駐車している間に取り付けられた男性もいる。京師さんは「盗まれた車は通常、保管された後、数日中には船で海外に運ばれます。約3日以内に船に載せられる事例が多いため、クルマにGPSを設置しておけば、場所を特定して警察に通報すれば取り返せる可能性はあります」。京師さんによると、自宅を特定されて空き巣や強盗に遭ったり、ストーカーなどの犯行にもつながる恐れがあるという。
番組は今回は、「犯人はなぜ、簡単にドアを開けて盗むことができたか」については、触れなかった。
(栄)