漫画家の松本零士さんが13日(2023年2月)、都内病院で急性心不全のため85歳で亡くなった。今日21日の「THE TIME,」は松本さんの死を悼み、久しぶりに銀河鉄道999のテーマ曲でスタートした。
「3世代で楽しみました」の声も
6歳頃から絵を描き始め、15歳で漫画雑誌に投稿、掲載された作品でデビューした松本さん。1970年代には「銀河鉄道999」など不朽の名作を世に放ち、昭和のアニメブームを牽引した。テレビアニメ「宇宙戦艦ヤマト」の制作にも関わった。作品の根底には「幼少期の戦争体験」があったという。松本さんは2019年に「人は志を持って生まれてきたのに、それを果たせず終わっていく悲しみ。それを描きたかった」と語っている。松本零士さんの長女、摩紀子さんは「『遠く時の輪の接するところでまた巡り会える』と松本は常々申しておりました。私たちもその言葉を信じ、その日を楽しみにしています」とコメントした。
悲しみ、そして希望の物語を描き続けた松本さんの訃報に、たくさんの悲しみの声が寄せられている。宇宙戦艦ヤマトの実写版映画で主演した木村拓哉さんは「たくさんの夢と勇気をありがとうございました」とコメント。60年来の親友、漫画家のちばてつやさんは「ここ数年親しい漫画家仲間が次々と旅立って淋しい思いをしていたのに、君も逝ってしまったのか、もう身体中の力が抜けていくよ」と思いを語った。
生前、「願わくは一度でいいから自分自身が星の海を旅してみたいというのが願望だった」と語っていた松本さん。999の主人公、星野鉄郎の声優を務めた野沢雅子さんは「すでに車掌さんが999号で待っていると思いますので、どうか一緒に楽しい旅を続けてください」という言葉を贈った。
松本さんの訃報はニュース関心度ランキングでも1位。視聴者からは「小さなころからメーテルが憧れでいまもロングヘアです」(40代女性)、「子や孫と3世代で楽しみました。作品は一生の宝物です」(60代以上女性)、「いまでもワクワクする作品。想像力が膨らむ私のバイブルです」(50代男性)などの声が寄せられた。
新聞各紙も「『零士』のペンネームには『午前0時を過ぎないとアイディアが浮かばない』ことに加え『ゼロ歳児の完成を忘れまい』と自戒を込めた」(毎日新聞)、「洗練されたメカのデザインはSFアニメブームの礎を築いた」(スポーツ日本)などエピソードを紹介した。
司会の安住紳一郎「今朝の天声人語に書かれていましたが、999の意味は1000に一つ足りない、大人になる前の青春の輝きをいつまでも大事にしたい、そういう意味が込められているそうです。私は中学1年のとき、朝、999のアニメの再放送をやっていました。中学校の朝のホームルームが始まる前、本当はいけないんですけど教室のテレビでクラスメートと一緒に999を観ていたことを思い出します。鉄郎とメーテルの少し哲学的なやりとりをクラスメートと一緒にあーだこーだ言いながら観ていた記憶があります。本当にたくさんの人が影響を受けた松本零士さんの作品、ありがとうございました」
(みっちゃん)