きょう20日(2023年2月)の「モーニングショー」で、司会の羽鳥慎一が「横浜市で2月17日に起きた車やバイクなど5台を巻き込む事故です」と切り出した。「ひき逃げなどの疑いで78歳の男性が逮捕されました。容疑者は『事故を起こした記憶がない』と容疑を否認したうえで、事故の後に車を運転して散髪に行ったなどと供述をしていることがわかりました」と伝えた。
交通事故鑑定人は「冷静なハンドル操作」
事故が起きたのは横浜市金沢区の県道。その様子は防犯カメラやドライブレコーダーに記録されていた。追突されたバイクを運転していた男性は「(その瞬間は)何が起きたかわからなかった。バイクはグシャグシャに壊れた。30~40キロは出ていたのではないか」と話している。防犯カメラの映像を見る限り、衝突前に減速している様子もない。現場にはブレーキ痕もなく、前方のバイク運転手が右手首を骨折するなど4人が重軽傷を負った。
事故の目撃者は「逃げた運転手は事故直後、通行人と会話をしていた。通行人が『にげちゃダメだよ』と言っていたが、いつの間にか逃げて行ってしまった」と話す。78歳の男は事故の30分後、美容室の駐車場で目撃されている。散髪後、帰宅した男性は、自宅の駐車場に車を入れ、駐車場のシャッターを閉ざしていたが、逮捕後は「事故の記憶はなく、逃げた認識もない。車の破損は当て逃げされてできたもの」と話しているという。
いったいどういうことなのか?
森山みなみアナが交通事故鑑定人・中島博史氏の見解を紹介。中島氏は「ブレーキ痕がない場合は、一般的にアクセルとブレーキの踏み間違いが多く、その場合はパニックを起こし、さらにアクセルを踏み込んでしまう。しかし、容疑者は一時停止し、バックもしているので、パニックを起こしたわけではない。冷静なハンドル操作で立ち去っているので、ブレーキの踏み間違いではないだろう。事故を起こしたことを忘れてしまうほどの認知症であれば、普段から危なっかしい運転をすることが多く、車は傷だらけになるはず。しかし車に傷はない。状況を総合すると、前方不注意、あるいは注意不足による追突だったのではないかと考えられる」と分析した。
羽鳥は「認知症の可能性があると思ったら、違うんですね」とコメント。
石原良純は「交通事故鑑定人だけではなく、精神科の医師の話も聞いてみたい。パニックは起こしていなくて冷静だったように見えるが、この男性の頭の中で何が起きていたのか。僕は、ある種自分を守る、なかったことに考えたいという意思が働いているのではないかと思う。正常な時だったら正しい判断ができたかもしれないが、この人が事実に蓋をしてしまう精神状態だったということも考えられるのではないかと思うんだよね。人は自分を守るために記憶を遮断することがあるのではないか」と指摘した。
弁護士の山口真由は「どうしてもわからないのは、壊れた車で平常通り散髪に行っていること。良純さんが言うように、平穏な日常に何とかしがみつきたいという心理が働いていたということで、それも説明がつく気がします。ただ、誰だって罪の意識が大きければ事件にフタをしたい。車の運転には責任が伴うことで、ケガ人もいるのに逃げれば罪も大きくなる。やるべきことではなかった」とコメント。
羽鳥が「不思議ですね。冷静に逃げているというと変ですけど」とコメントすると、石原良純は「だから、シャッターを閉めているというか、犯罪を隠避するわけではなく、見なかったことにしてしまうくらいのことなのかも」と話した。
羽鳥は再び「どんな精神状態だったのか、非常に不思議なところです」とコメントしてまとめた。
(バルバス)