連続広域強盗・殺人事件をきっかけに、特殊詐欺や窃盗事件に警戒感が広まっています。今週(2023年2月13日~)、各局のワイドショーは現在も起きている実際の被害例や、巧妙な「アポ電」のナマ音声を取り上げ、注意を喚起していました。
「自動音声」にも要注意
(J-CAST)ワイドショー通信簿の「自動音声に従い答えていくと→詐欺でした(略)」(13日、テレビ朝日系「モーニングショー」)が取り上げたのは、自動音声による詐欺事件でした。30代の女性が非通知の着信に出ると、自動音声で「電話料金滞納」と言われ、ガイダンスに従って番号を選択すると「お客様センター」に接続されたそうです。応対した金融会社職員を名乗る男性に「費用を支払えば差し止めができます」と言われ、結局、電子マネーで30万円をだまし取られた、とあります。
自動音声だと信用してしまいがち。とくに「アンケート」は要注意で、「年収」「配偶者の有無」「資産の内訳」を聞いてくるのは、情報収集を疑った方がいい、とあります。
「警察公開リアル『犯行前アポ電』(略)」(14日、日テレ系「スッキリ」)は、広島県警が公開した生々しいアポ電の音声を紹介しています。
「安佐南警察、生活安全課のシライと申します」と女性の丁寧な声。詐欺事件で逮捕したという2人の男の名前を挙げ、「お心あたりはなかったですか?」「ご家族の方にも確認したいので、お代わりいただけますか?」と要求。家人に代わろうとしたら、突然電話は切れたそうです。一人暮らしかどうか情報収集だったのでしょう。
アポ電の「アポ」はアポイントメントの略で、家の情報を探るためにかかってきます。昨(2022)年は前年より20%増え、12万件もあったそうです。予防策は、かかってくる電話はすべて怪しいと思った上で、常に留守番設定にしておくのがよいとされます。
同じナマ音声を取り上げた「犯行準備の『アポ電』続出(略)」(14日、「モーニングショー」)には、怪しいときは「#9110の警察相談ダイヤルに連絡を」とあります。
他方、連続強盗事件の類似犯が、今も起きています。「DeNA斎藤コーチ宅侵入事件(略)」(15日、「スッキリ」)によると、14日午前3時40分ごろ、ベイスターズのコーチ、斎藤隆さん宅に複数の黒服男が侵入したそうです。防犯カメラを設置していて、警備会社のアラームも作動したのに、被害に遭っていました。
どんな対策をとればよいか、元埼玉県警の佐々木成三氏は「自宅に入られること」を前提にした対策を勧めています。防犯カメラに光や音で警告する機能を付ける、家の中で避難する場所を確保する、金目のものは鍵のかかる場所に保管する、などです。
とはいえ、若者の貧困と閉塞感、SNS悪用の広がりなど、社会が抱える闇は複雑で深刻です。個々人でどこまで対峙すればよいのか、難題が続きます。
(コムギ)