労働力の流動性
経営コンサルタントの坂口孝則は「働くというのは、自分の労働力をいくらで買ってくれるかを提示して企業がそれを受け入れるということ。給料が少なければ働きませんということが増えればどうなるか。より人手不足が加速するということになる。一番いいのは最低賃金を上げることだと思いますが、もう1つは労働者自らが自分の給料を上げていこうという活動をすること。流動性ですね。より多くの賃金じゃなければ雇えないという状況になれば、必然的に賃上げは実現される」と話す。
加藤は「そのためには生産性が低いとされる日本の企業が、利益が上がる新しい産業にシフトしていくことが大事だと思う」とコメント。
坂口はさらに「流動性は大切だが、長期的に見ると長く働いた人のほうが退職金の扱いなど税制的に有利になる部分がある。転職したら所得税を下げるとか、税制的にも考えていく必要がある」と指摘。
加藤が「非正規の方々がスキルをアップして賃金の高い仕事に変われる状況にないなら、利益が上がっているところは賃金を上げるというしかない」とコメント。
フリーアナウンサーの高橋真麻が「そうなれば、体力がなくて労働力を集められない企業は人材も流出してしまって、自然と淘汰されてしまいますねよ」と言うと、加藤は「これまで『給料は安いが頑張ってくれ』というような経営者の人間性で労働者をつなぎとめていた部分はある。これも大事だが、やはり利益が上がる企業に移りながら、労働人口の循環が生まれるような社会が必然のように思う」とコメント。
星野氏は「働く側がもっと良い職場に移るということがキーポイント。企業や政府にもやることはあると思いますが、まず働く側が移ることで仕組みが変わっていく」と話した。
(バルバス)