トルコ・シリア大地震が「日本も他人事じゃない」(谷原章介)理由

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   トルコ・シリアの地震は発生1週間で死者が3万4000人を越えた。死者が1万人を越えた地震は12年前の東日本大震災以来のことだ。ビルが垂直に崩れ落ちる「パンケーキ・クラッシュ」や、構造物に強烈なダメージを与える地震動「キラー・パルス」が、被害を拡大しているようだ。13日(2023年2月)の「めざまし8」が伝えた。

   パンケーキ・クラッシュとは、激しい揺れで建物の柱が壊れ、各階が折り重なるように崩れ落ちる現象だ。日本でも発生するのか?

  • 地震への備えを(写真はイメージ)
    地震への備えを(写真はイメージ)
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パンケーキ・クラッシュやキラー・パルスとの関係

   愛媛大学の森伸一郎・特定教授は、「日本の場合は、(1981年の)新耐震と呼ばれる新しい設計基準以降は、起きることはほとんどないと考えられますが、それ以前の耐震基準の場合、パンケーキ・クラッシュの引き金となるような1層全体(の崩壊)は十分に考えられます」。その危険性は、数秒で崩れるため「避難が困難」。「生存空間がなくなり」生命への危険度が高い。柱が細く、鉄筋の量が少ないなど「柱の強度不足」が原因だ。

   もうひとつ被害を拡大しているのが、キラー・パルス。トルコに多い7~15階建ての建物に対し、大きな破壊力がある。周期1~2秒の揺れで、被害を拡大する。阪神淡路大震災の時にも、この現象が見られた。

   トルコ・シリア地震の範囲も広大で、東西で約450キロは、東京・和歌山間に相当する。阪神淡路大震災を上回る揺れが、約150キロにわたって広がった。

   「建築恩赦」の影響にも、注目が集まっている。

   1999年のトルコ北西部地震は1万7000人超の死者を出したが、これをきっかけに耐震基準が見直された。ただし、この基準の見直し前の建物をそのまま使う人は、書類を提出すれ(手数料のようなものを払え)ば、使用を続けても問題ないとする、決まりだ。森教授は、「耐震基準が追い付いておらず、トルコには現在も、基準見直し前の建物が多く残っている」。被害地域に最大7万5000の建物が、残っていたという。

   コメンテーターの橋下徹・元大阪府知事は「日本も同じ。既存不適格といって、基準が厳しくなっても、これ以前の建物はそのままなんですよ。(補修などの義務は?)任意、自主的です。日本も南海トラフ地震は、おそらくこの規模が起きると言われていますが、既存不適格と言われる建物をどう守っていくのか、日本でも大きな課題です」

   MCの谷原章介「日本も、他人事じゃないですねえ」

(栄)

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