「岸田総理の側近、荒井勝喜秘書官が、性的マイノリティーをめぐり、『見るのも嫌だなと思うこともある。隣に住んでいるのも嫌だなと思うこともある』と発言しました。岸田総理はおととい(2023年2月4日)、荒井秘書官を更迭しました」と、岩田絵里奈アナが6日放送の「スッキリ」で切り出した。
番組は続けて、LGBTQへの理解を深めようとSNSで発信しているロバート・キャンベル氏(早稲田大学特命教授、日本文学研究者)のツイートを紹介。「暗い朝、ゴミ出しの帰りに会うなんて俺も嫌だよ、秘書官。『誤解を与えるような表現』じゃなくて、人びとの尊厳と安寧を脅かす暴言」というものだ。
「僕は不思議でしょうがない」
岸田総理にとって、荒井氏はどんな存在だったのだろうか。政治評論家の有馬晴海さんは「荒井さんは通産省(現・経済産業省)の出身ですが、もともと岸田首相とは消費者庁を創設するときに一緒に関わった。岸田総理にとっては1番の右腕。すごく頼りになるトップの秘書官だったと見ていい」と話す。
さらに有馬さんは、荒井氏への処分について「今回のことは、一発アウトということです。官僚の役割ということを考えたら、もう一発アウト。あり得ないということです」と語った。
荒井氏の発言について、司会の加藤浩次は「こういうことをなんで言えるんだろうって僕は不思議でしょうがない」と率直な感想を述べた。
当事者でもあるキャンベル氏は、岸田首相が同性婚に消極的であることに触れ、「(総理は)社会が変わってしまうかもしれない、雰囲気を見ないといけないとおっしゃったが、政策は雰囲気では作れない。エビデンス・データが必要なので、まずは国勢調査で様々な性的少数者がどれくらいいて、どのように暮らしているのかを知らないと」と意見。続けて「政府は(LGBTQが)存在しないことにしている。実態調査をしていないことが、荒井氏の発言がまかり通る1つの背景だと思う」と指摘した。
加藤「総理は『全ての国民にとっても家族観や価値観、そして社会が変わってしまう』って言っています。社会変わっていいでしょ。変えるべきことは変えていかないと。そういうことですよね」
法的な同性婚を認めず、性的マイノリティーに対して差別からの法的保護を設けていないのは、G7の中で日本だけだという。小さい頃からLGBTQが身近にいたという杉山愛(元プロテニスプレーヤー)は「後れをとっていて恥ずかしい。遅れているな」とコメントしていた。
(ピノコ)